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リサーチ計画

目的・仮説・手法・スケジュールを明確にし、成果につながるUXリサーチを設計する方法。

2026年3月19日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)

「リサーチをしたけど、結局何を判断すればいいかわからない」——この失敗は、計画の時点で決まっている。

目的が曖昧なリサーチは、曖昧な結果しか生まない。「ユーザーのことを知りたい」では広すぎる。「登録後に離脱する理由を特定し、を改善するかどうか判断したい」——ここまで具体化して初めて、適切な手法を選び、成果につながる調査ができる。

リサーチ計画はリサーチの成否を決める最重要ステップだ。


1. 定義

目的・仮説・手法・スケジュールを明確にし、成果につながるUXリサーチを設計するプロセス。

「何を知りたいか」「知った結果、何を判断するか」を明確にし、適切な手法とスケジュールを計画する。計画がないリサーチは、時間とリソースの無駄になる。


2. リサーチ計画の5つの要素

1. 背景(Background)

なぜ今この調査が必要なのか

  • プロジェクトの
  • 現在抱えている課題
  • これまでにわかっていること

2. 目的(Objective)

この調査で何を判断したいのか

背景と目的の違い

  • = なぜ今この調査が必要なのか
  • 目的 = この調査で何を判断したいのか

悪い例

  • 「ユーザーのことを知りたい」
  • を確認したい」

良い例

  • 「登録後に離脱する理由を特定し、オンボーディング改善の優先順位を決める」
  • 「新機能ので、タスク完了率80%以上を達成できるか検証する」

3. リサーチクエスチョン(Research Questions)

具体的に答えを出したい問い

  • ユーザーは登録後、最初に何をしようとするか?
  • どの画面でつまずいているか?
  • なぜその行動を取るのか?

悪い例: ユーザーは満足しているか?(抽象的すぎる) 良い例: 登録後のどの画面で離脱が起き、何がその原因になっているか?

4. 仮説(Hypothesis)

現時点での予想

  • 「おそらく○○だろう」という仮説を持ってリサーチに臨む
  • 仮説があると結果の解釈がしやすい
  • 仮説が覆されることも重要な発見

5. 手法とスケジュール(Method & Timeline)

どの手法を使い、いつ実施するか

  • 目的に合った手法を選択
  • 、実施、分析、報告のスケジュール
  • リソース(予算、人員)の確認

3. リサーチ計画書テンプレート

# リサーチ計画書

## 1. 背景
[プロジェクトの状況、なぜこのリサーチが必要か]

## 2. 目的
[このリサーチで何を達成したいか]

## 3. リサーチクエスチョン
- [具体的な問い 1]
- [具体的な問い 2]
- [具体的な問い 3]

## 4. 仮説
- [仮説 1]
- [仮説 2]

## 5. 手法
- 手法: [インタビュー / ユーザビリティテスト / サーベイ 等]
- 参加者: [対象ユーザー、人数]
- 実施形式: [対面 / リモート]

## 6. スケジュール
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 計画・準備 | ○月○日〜○月○日 |
| 参加者募集 | ○月○日〜○月○日 |
| 実施 | ○月○日〜○月○日 |
| 分析 | ○月○日〜○月○日 |
| 報告 | ○月○日 |

## 7. 成果物
- [インサイトレポート / 改善提案 / 意思決定のための根拠]

## 8. ステークホルダー
- [意思決定者、結果を使う人]

4. 目的から手法を選ぶ

「なぜ」を知りたい → 定性手法

状況手法
動機・文脈を深掘りしたいユーザーインタビュー
実際の環境で行動を見たいフィールドスタディ
行動と意図を同時に理解したいコンテキスチュアルインクワイアリ
継続的な変化を追いたい日記調査

「どれくらい」を知りたい → 定量手法

状況手法
課題の規模感を把握したいサーベイ
行動データを継続追跡したいアクセス解析
改善案の効果をしたいA/Bテスト
を測定したいNPS

「使えるか」を検証したい → 評価手法

状況手法
操作の問題を発見したいユーザビリティテスト
構造を検証したいツリーテスト
ユーザビリティを数値化したいSUS

情報設計をしたい → 構造化手法

状況手法
カテゴリ構造を発見したいカードソート
既存構造を検証したいツリーテスト

5. よくある失敗と対策

「目的が広すぎる」

失敗: 「ユーザーのことを知りたい」

対策: 「知った結果、何を判断するか」まで明確にする

「仮説がない」

失敗: 何の予想もなくリサーチに臨む

対策: 「おそらく○○だろう」という仮説を持つ。仮説が覆されることも発見。

「手法から始める」

失敗: 「インタビューをやりたい」から始まる

対策: 目的を先に決め、目的に合った手法を選ぶ

「ステークホルダーを巻き込まない」

失敗: リサーチャーだけで計画・実施し、結果を報告するだけ

対策: 計画段階から意思決定者を巻き込む。可能なら調査に同席してもらう。


6. 実務チェックリスト

計画時

実施前


7. 関連リンク

UXリサーチの基礎

代表的な手法

関連する用語


まとめ

リサーチ計画はリサーチの成否を決める最重要ステップである。「何を知りたいか」「知った結果、何を判断するか」を明確にし、目的に合った手法を選ぶ。計画がないリサーチは、時間とリソースの無駄になる。目的 → 仮説 → 手法 → スケジュール——この順序で計画を立て、ステークホルダーを巻き込んで実施する。

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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