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NPS(ネットプロモータースコア)

顧客ロイヤルティを1つの質問で測定し、推奨者・中立者・批判者に分類する定量指標。

2026年3月19日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)

「顧客満足度は高いのに、なぜリピートしないのか?」——この問いに答えられる指標があるか。

顧客満足度調査で「満足」と答えた人が、次も買うとは限らない。「満足」と「推奨」は違う。満足していても、積極的に人に勧めるほどではない。この差がビジネスの成長を左右する。

推奨意向を測定する。「友人や同僚に勧めますか?」という1つの質問で、顧客を推奨者・中立者・批判者に分類する。シンプルだからこそ、継続的に追跡できる。


1. 手法の定義

「友人や同僚に勧める可能性は?」という1つの質問で顧客ロイヤルティを測定し、推奨者・中立者・批判者に分類する定量指標。

0〜10のスケールで回答を得て、9-10を推奨者、7-8を中立者、0-6を批判者とする。NPS = 推奨者の割合 − 批判者の割合。


2. いつ使うか

適している場面

  • 顧客ロイヤルティを継続的に追跡したい: 四半期ごと、年度ごとの変化
  • ベンチマークと比較したい: 業界平均、競合との比較
  • シンプルな指標が必要: 経営層への報告、全社
  • 改善の方向性を知りたい: 批判者の声を深掘りする起点

向いていない場面

  • 「なぜ」を知りたい時: NPSだけでは原因はわからない
  • 特定機能の評価をしたい時: → SUSユーザビリティテスト
  • 1回限りの調査: NPSの価値は継続的な追跡にある

3. 設計判断の核

NPSは「満足度」を測る指標ではない。「推奨意向」を測る指標である。

よくある誤解

NPSが高ければ、顧客は満足している。

実際

NPSは「推奨意向」を測定する。満足していても推奨しない人はいる(中立者)。逆に、不満があっても代替がないから使い続ける人もいる。NPSはロイヤルティの指標であり、満足度とは異なる。

設計判断の基準

  • 「単独で使っていないか?」→ フォローアップ質問で「なぜ」を聞く
  • 「継続的に追跡しているか?」→ 単発のNPSに意味はない
  • 「アクションにつなげているか?」→ 批判者の声を改善に活かす

4. 調査タイプ

内容
データ定量
対象態度(推奨意向)
サンプル100人以上
実施フェーズDeliver(継続的)

手法のポジション

深さ(Why)
↑
ユーザーインタビュー
↑
CSAT / SUS
↑
NPS ← ここ(シンプル・継続追跡向き)
→ 規模(How many)

NPSは最もシンプルな指標。1問で測定できるため、回答率が高く、継続的な追跡に適している。NPSは全体的なを粗く継続観測する指標であり、CSATやSUSは特定体験をより具体的に評価する。

補足: NPSで得られるのは「態度(推奨意向)」。実際に推奨したかどうか(行動)は別の方法で測定する必要がある。


5. 実施プロセス

1. 調査設計

  • 対象者: 製品・サービスを利用した顧客
  • タイミング: 購入後、利用後、四半期ごと、など
  • 質問文: 「○○を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいですか?」

2. 質問設計

基本の質問

  1. 「○○を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいですか?」(0-10)
  2. 「その理由を教えてください」(自由回答)

追加のフォローアップ

  • 推奨者(9-10): 「特に気に入っている点は?」
  • 批判者(0-6): 「改善してほしい点は?」

3. 分析

NPSの計算

NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)
  • 推奨者(Promoters): 9-10
  • 中立者(Passives): 7-8
  • 批判者(Detractors): 0-6

解釈の目安

NPS評価
50以上非常に良い
30-50良い
0-30改善の余地あり
0未満要改善

※ 業界によって平均値は大きく異なる

4. アクション

  • トレンド分析: 時系列での変化を追う
  • セグメント分析: 顧客層による違いを確認
  • 批判者の声を深掘り: インタビューで原因を特定
  • 推奨者の声を活用: 何が価値なのかを理解

6. 実務チェックリスト

最低ライン(Must - これがないと失敗)

理想ライン(Better - プロの品質)


トランザクショナル vs リレーショナル

タイプタイミング用途
トランザクショナルNPS特定体験の直後その体験の評価
リレーショナルNPS定期的(四半期等)全体的なロイヤルティ

両方を組み合わせると、どの体験がロイヤルティに影響しているかが見える。


7. 関連リンク

関連するUXリサーチ手法

関連するUX心理

関連する用語


まとめ

NPSは「満足度」を測る指標ではない。「推奨意向」を測る指標である。シンプルだからこそ継続的に追跡でき、トレンドを把握できる。ただしNPSだけでは「なぜ」はわからない。フォローアップ質問で理由を聞き、インタビューで深掘りし、改善アクションにつなげる。NPSはゴールではなく、対話を始めるための入口である。

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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