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SUS(システムユーザビリティスケール)

10項目の標準化された質問票で、システムの主観的ユーザビリティを定量評価する指標。

2026年3月19日
更新: 2026年8月27日
5
by Dengen Yosho(DGYS)

「このは使いやすいですか?」——この質問に、どう答えればいいのか。

「使いやすい」は主観的だ。Aさんにとって使いやすいUIが、Bさんには使いにくいかもしれない。「」を数値化しないと、改善の前後比較も、競合との比較もできない。

1986年から使われ続けている的なユーザビリティ評価指標だ。10項目の質問に答えるだけで、0〜100のスコアが出る。シンプルで、信頼性が高く、ベンチマークとの比較ができる。


1. 手法の定義

10項目の標準化された質問票で、システムの主観的ユーザビリティを定量評価する指標。

の後に実施することが多い。0〜100のスコアで評価され、68点が平均的なユーザビリティとされる。


2. いつ使うか

適している場面

  • ユーザビリティを数値で把握したい: 主観的な印象を定量化
  • 改善の前後を比較したい: リデザイン前後でスコア比較
  • 競合と比較したい: 業界ベンチマークとの比較
  • ユーザビリティテストの補足として: 行動観察と主観評価を組み合わせる

向いていない場面

  • 「なぜ」を知りたい時: → ユーザビリティテスト
  • 特定機能の評価: SUSはシステム全体の評価
  • 非インタラクティブなコンテンツ: SUSは「システム」向け

3. 設計判断の核

SUSは「絶対評価」ではない。「相対評価」のための指標である。

よくある誤解

SUSが70点なら「良い」、50点なら「悪い」。

実際

SUSスコアは単独では解釈しにくい。重要なのは比較だ。改善前と後、競合製品と、業界平均と比較することで意味が出る。68点が「平均」とされるが、これは多くの製品のデータから導かれた相対的な基準。

設計判断の基準

  • 「何と比較しているか?」→ 改善前、競合、業界平均
  • 「ユーザビリティテストと組み合わせているか?」→ 数値だけでは改善点がわからない
  • 「同じ条件で測定しているか?」→ 比較するなら条件を揃える

4. 調査タイプ

内容
データ定量
対象態度(主観的評価)
サンプル12人以上(信頼性確保)
実施フェーズDesign / Deliver

手法のポジション

深さ(Why)
↑
ユーザビリティテスト
↑
SUS ← ここ(主観的評価を数値化)
↑
NPS
→ 規模(How many)

SUSはユーザビリティの主観的評価を数値化する。行動を観察するユーザビリティテストと組み合わせることで、客観と主観の両面から評価できる。SUSは「使いやすさ」の主観評価を標準化して比較するための指標であり、を測るNPSや満足度を測るCSATとは目的が異なる。

補足: SUSで得られるのは「態度(主観的評価)」。実際の操作で問題があったかどうかは、ユーザビリティテストで観察する必要がある。


5. 実施プロセス

1. 実施タイミング

  • ユーザビリティテストの直後: タスク完了後に回答
  • 製品使用後: 実際に使った後に回答
  • 比較調査: 複数製品を使った後にそれぞれ回答

2. 質問項目(10問)

SUSは以下の10問で構成される(1: 全くそう思わない 〜 5: 強くそう思う)

  1. このシステムを頻繁に使いたいと思う
  2. このシステムは不必要に複雑だと思った
  3. このシステムは使いやすいと思った
  4. このシステムを使うには、技術者のサポートが必要だと思った
  5. このシステムの様々な機能はよく統合されていると思った
  6. このシステムには一貫性がないと思った
  7. ほとんどの人がこのシステムの使い方をすぐに学べると思う
  8. このシステムはとても使いにくいと思った
  9. このシステムを使うことに自信を感じた
  10. このシステムを使い始める前に、多くのことを学ぶ必要があった

※ 奇数問は肯定的、偶数問は否定的な表現

3. スコア計算

  1. 奇数問(1,3,5,7,9): 回答値 − 1
  2. 偶数問(2,4,6,8,10): 5 − 回答値
  3. 合計を2.5倍 → 0〜100のスコア

4. 解釈

スコア評価グレード
85以上非常に良いA
72-84良いB
68平均C
51-67改善の余地ありD
50以下要改善F

6. 実務チェックリスト

最低ライン(Must - これがないと失敗)

理想ライン(Better - プロの品質)


7. 関連リンク

関連するUXリサーチ手法

関連するUX心理

関連する用語


まとめ

SUSは「絶対評価」ではない。「相対評価」のための指標である。改善前後、競合、業界平均との比較で意味が出る。10問という手軽さで、主観的ユーザビリティを数値化できる。ユーザビリティテストで「何が問題か」を発見し、SUSで「どれくらい改善したか」を測定する——これがの基本サイクルだ。

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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