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UXリサーチ完全ガイド|定性・定量×行動・態度の4象限で手法を体系化

UXリサーチとは、ユーザーを体系的に調査するプロセス。定性・定量×行動・態度の4象限で手法を分類し、開発フェーズごとの使い分けを解説。

2026年3月17日
更新: 2026年8月30日
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by Dengen Yosho(DGYS)

この記事は、UXリサーチ領域を体系的に学ぶためのです。

15の調査手法を「定性・定量×行動・態度」の4象限で体系化しています。


あなたの目的は?

目的最初に読む記事
UXリサーチとは何か、基本概念を知りたいUXリサーチとは
インタビューの技術を学びたいインタビュー技術一覧(22本)
ユーザビリティテストのやり方を知りたいユーザビリティテスト
A/Bテストのやり方を知りたいA/Bテスト
アンケート調査のやり方を知りたいサーベイ

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4象限フレームワーク

ニールセン・ノーマン・グループが提唱する分類が最も有名です。リサーチ手法は「データの性質(定性・定量)」「データの対象(態度・行動)」の2軸で整理できます。

定性(Qualitative)定量(Quantitative)
行動(Behavioral)、フィールドスタディ、アクセス解析、アイトラッキング
態度(Attitudinal)、日記調査アンケート

※カードソートは定性(オープン型)と定量(クローズド型)の両面を持つため、「情報構造の発見・」として別枠で捉えることが多い。

定性 vs 定量

答える問いなぜ(Why)・どのように(How)どれくらい(How many)・どちらが(Which)
サンプル数少数(5〜15人)多数(100人以上)
得られるもの深い理解、仮説の発見統計的な裏付け、規模の把握
代表的手法インタビュー、観察サーベイ、A/Bテスト

行動 vs 態度

行動データ態度データ
対象ユーザーが実際にやったことユーザーが言っていること
信頼性高い(客観的事実)低い(がかかりやすい)
注意点「なぜ」がわからない言っていることとやっていることは違う

代表的な手法一覧

定性×行動

ユーザビリティテスト

実際のユーザーに製品を使ってもらい、その行動を観察して問題点を発見する。

  • 代表的な目安として、少人数(5人程度)でも主要な問題は見つけやすい(ヤコブ・ニールセン)
  • 法を併用して「なぜ迷ったか」も把握
  • ユーザビリティテスト

フィールドスタディ

ユーザーの実際の環境(職場、自宅など)に出向き、を観察する。

  • ラボでは再現できない文脈(周囲の環境、中断、同僚との会話)を把握
  • 開発初期のに有効

定量×行動

A/Bテスト

2つのパターンを実際のユーザーにランダムに割り当て、どちらが良い成果を出すかをデータで検証する。

  • 主観的な議論を客観的なデータで終わらせる
  • 事前にサンプルサイズを計算し、で判断
  • A/Bテスト

アクセス解析

Webサイトやアプリのログを分析し、ユーザーの行動パターンを把握する。

  • 離脱ポイント、滞在時間、コンバージョン率
  • 「何が起きているか」はわかるが「なぜ」はわからない

定性×態度

ユーザーインタビュー

ユーザーと直接対話し、行動の背景や潜在ニーズを深く理解する。

  • 意見ではなく事実(過去の行動・エピソード)を聞く
  • 半構造化インタビューが最も一般的
  • ユーザーインタビュー

日記調査

ユーザーに一定期間、体験を記録してもらう。

  • 時間経過に伴う行動・感情の変化を把握
  • 記憶に頼らないリアルタイムのデータ収集

定量×態度

サーベイ(アンケート調査)

多数のユーザーに同じ質問を行い、定量的なデータを収集する。

カードソート

ユーザーに情報をグループ分けしてもらい、自然な分類構造を探る。

  • ナビゲーション設計の根拠となるデータを収集
  • オープン(発見)とクローズド(検証)の2種類
  • カードソート

開発フェーズごとの使い分け

発見フェーズ(Discover)

「何を作るべきか?誰が使うのか?」を探る段階。

手法目的
フィールドスタディユーザーの現場に行き、利用を観察する
ユーザーインタビュー課題やニーズをヒアリングする
日記調査時間経過に伴う行動・感情を把握する

定義フェーズ(Define)

「機能や構造はどうあるべきか?」を決める段階。

手法目的
カードソートメニュー構造がユーザーの感覚に合っているか調べる
ペルソナ作成リサーチ結果をユーザー像としてまとめる
ジャーニーマップごとの体験を可視化する

開発・検証フェーズ(Design & Deliver)

「作ったものが使いやすいか?」を確認する段階。

手法目的
ユーザビリティテストや実装をユーザーに使ってもらい、課題を見つける
ファーストクリックテスト最初にクリックする場所が正しいか検証する

運用フェーズ(Listen & Measure)

「リリース後の成果は?改善点は?」を測る段階。

手法目的
A/Bテスト2つのパターンを比較して、効果を検証する
アンケート満足度(NPS・CSATなど)を測定する
ログ解析離脱率やコンバージョン率を監視する

UIXHEROの3レイヤー構造との接続

リサーチは、UIXHEROの3レイヤー構造において「Why」の根拠を強化する役割を担います。

UXリサーチ(ユーザー理解)
    ↓
UX心理(Why)— なぜユーザーはそう感じ・行動するか
    ↓
UI原則(What)— どう設計すればよいか
    ↓
UIコンポーネント(How)— どう形にするか

リサーチで発見した課題・ニーズを、UX心理の法則で説明し、原則で設計判断に変換し、UIコンポーネントで実装する——このサイクルがデータドリブンなUX改善の基本形です。


よくある質問

定性調査と定量調査、どちらを先にやるべきですか?

一般的には定性から入るのが推奨されます。まずインタビューや観察(定性)で「なぜ」や「どうやって」という仮説を立て、その後にアンケートやA/Bテスト(定量)で「どれくらい」の規模で起きているかを検証します。

ユーザー数は何人くらい必要ですか?

目的によります。ユーザビリティ上の問題を発見する定性調査なら、代表的な目安として少人数(5人程度)でも主要な問題は見つけやすい(ヤコブ・ニールセン)。一方、統計的に有意なデータを得たい定量調査(A/Bテストやアンケート)では、数百〜数千のサンプルが必要です。

リサーチをする時間がない時はどうすれば?

ゲリラリサーチを検討してください。廊下ですれ違った同僚や、カフェにいる人に5分だけプロトタイプを触ってもらうだけでも、何もしないよりは遥かに多くのが得られます。


どの手法から学ぶべきか

初めてUXリサーチに触れる場合は、次の順番で理解するのがおすすめです。

  1. ユーザーインタビュー — 課題を発見する(なぜを知る)
  2. ユーザビリティテスト — 行動を観察する(何が起きているかを知る)
  3. サーベイ — 規模を把握する(どれくらいかを知る)
  4. A/Bテスト — 改善を検証する(どちらが良いかを知る)

この順番で学ぶと、「定性で発見→定量で検証」というリサーチの基本サイクルが自然に身につきます。


手法選択の判断基準

「何を知りたいか」で手法を選びます。

知りたいこと選ぶ手法
「なぜ」を知りたい
「何が起きているか」を知りたいユーザビリティテスト
「どれくらい」を知りたいサーベイ
「どちらが良いか」を知りたいA/Bテスト
「どう分類するか」を知りたいカードソート

迷ったら、まずユーザビリティテストから。行動を観察するだけで「何が起きているか」がわかります。


UXリサーチを始める3ステップ

STEP 1: ユーザーを観察する(定性×行動)

まずはユーザビリティテスト。実際のユーザーに製品を使ってもらい、どこでつまずくかを観察する。

  • 所要時間: 1人30分 × 5人 = 半日
  • コスト: 謝礼3,000〜5,000円 × 5人 + 会議室
  • 得られるもの: 「ここで迷う」という具体的な問題点

詳細ガイド: ユーザビリティテスト実践ガイド

STEP 2: 理由を深掘りする(定性×態度)

観察で「ここで迷う」がわかったら、インタビューで「なぜ迷うか」を探る。

  • 所要時間: 1人45分〜60分 × 5人
  • コスト: 謝礼5,000円 × 5人
  • 得られるもの: 「なぜそう行動するか」の理由

詳細ガイド: ユーザーインタビュー実践ガイド

STEP 3: 改善案を検証する(定量×行動)

問題と原因がわかったら、改善案をA/Bテストで検証する。

  • 所要時間: 最低1週間(十分なサンプルが集まるまで)
  • コスト: ツール費用(無料プランあり)
  • 得られるもの: 「どちらが良いか」の統計的証拠

詳細ガイド: A/Bテスト実践ガイド


チームでUXリサーチを始めるには

「リサーチする時間がない」への回答

反論回答
時間がないゲリラテスト(5人×30分)で十分。リリース後の手戻りの方が高い
予算がない社内の別チームメンバーに依頼すれば謝礼不要
専門知識がない「黙って観察する」だけでも価値がある
ステークホルダーが理解しない1回観察に同席してもらうと考えが変わる

明日から始めるゲリラテスト

  1. 社内の別チームのメンバー3人に声をかける
  2. 「この画面で、○○を完了してください」とタスクを伝える
  3. 黙って観察する(助けない、教えない)
  4. つまずいた場所を記録する

10分で致命的な問題が見つかる。


関連リンク

実践ガイド(ブログ記事)

リファレンス(辞書的説明)

関連する用語集


まとめ

UXリサーチは、単一の手法ではなく、複数の手法を組み合わせて行うプロセスです。まずは1つの手法から始め、段階的に他の手法を組み合わせることで、の精度は大きく向上します。

今日から直せる一手

次のリリース前に、社内の別チームのメンバー3人に「〇〇を完了してください」とタスクを与え、黙って観察してみてください。10分で致命的な問題が見つかります。

次に読む


UXデザインを体系的に学ぶ

UXリサーチの手法を理解したら、次は「UI原則」と「UIコンポーネント」も学ぼう。

UIデザイン3レイヤー

関連リソース

→ 全体像を見る: UXデザイン完全ガイド

UXリサーチとは、ユーザーの行動・動機・課題を体系的に調査し、製品設計の根拠を得るプロセスです。

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最終更新: 2026年8月30日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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