UIXHERO

UI設計プロセス完全ガイド|Why→What→Howで設計判断を言語化する

UIデザインの設計プロセスを6ステップで体系化。「なぜそのUIか」を説明できるようになるUX心理→UI原則→UIコンポーネントの思考順序と実践フレームワーク。

2026年3月6日
11
by Dengen Yosho(DGYS)
UI設計プロセス完全ガイド|Why→What→Howで設計判断を言語化する

「とりあえず作ってみる」から始まるは、必ずどこかで行き詰まります。優れた設計には、必ず思考の順序があります。

この記事は、XHEROの設計プロセスを体系化したガイドです。UX心理(Why)→UI原則(What)→UIコンポーネント(How)の3レイヤーを正しい順番で使うことで、「なんとなくそうした」ではなく「だからそう設計した」と説明できるようになります。

この記事では、UIデザインの設計プロセスを6ステップで整理し、各ステップで使うべき思考フレームワークと具体的な判断基準を解説します。

UIデザイン設計プロセスとは、心理・UI原則・UIコンポーネントを正しい順序で使い、設計判断を言語化するための思考フレームワークです。

この記事でわかること

  • UI設計の6ステップ全体像(Why→What→Howの思考順序)
  • 3レイヤー構造(UX心理・UI原則・UIコンポーネント)を使う正しい順番
  • 各ステップで問うべき問いと、つまずきやすいポイント
  • 設計判断を言語化・チームで共有するための実践基準

UIXHEROではUI設計を UX心理(Why) → UI原則(What) → UIコンポーネント(How) の3レイヤーで体系化しています。

→ サイト全体の入口は UXデザイン完全ガイド から


設計プロセスの3レイヤー構造における役割

UI設計プロセスは「なぜ→何を→どう」の順に思考する構造です。UIXHEROはUIデザインを3つのレイヤーで体系化しています。

レイヤー問い役割
UX心理(Why)なぜユーザーはそう感じ・行動するか人間の認知・感情・行動の仕組みを理解する
UI原則(What)どう設計すればよいか心理法則をUIの判断基準へ翻訳する
UIコンポーネント(How)どう形にするか原則を実装可能な部品として具体化する

具体例:ナビゲーション設計の場合

UX心理(Why) ヒックの法則:選択肢の数が増えるほど意思決定にかかる時間は対数的に増加する

UI原則(What) 選択肢を減らす項目は7項目以内に絞る

UIコンポーネント(How) Sidebar / App Rail / Tabs

3レイヤーを正しい順番で使うことで「なぜこのナビゲーション構造か」を根拠とともに説明できます。


UI設計の6ステップ|思考順序の全体構造

UIXHEROが推奨する設計の思考順序です。まず全体を把握してから、各ステップの詳細へ進んでください。

ステップテーマ問い
STEP 1目的とを先に置くどんな問題を解くUIか。制約は何か
STEP 2UX心理で「なぜ」を理解するユーザーはなぜその行動をするか
STEP 3UI原則で「何を」設計するか決めるどの設計ルールが適用されるか
STEP 4UIコンポーネントで「どう」形にするか原則を満たす部品はどれか
STEP 5状態と例外を先に設計するエラー・空・ローディングはどう見えるか
STEP 6計測できる形にする何が改善したら「成功」か

STEP 1|目的と制約を先に置く

「何を作るか」より先に「なぜ作るか」を決める

UIデザインは「画面を作る仕事」ではなく「問題を解く仕事」です。最初に解くべき問題を定義しないと、見た目は整っていても使われないUIが完成します。

問うべき問い

問い内容
ユーザーの目的は何かユーザーはこの画面で何を達成したいか
ビジネスの目的は何かこの機能でどの指標を改善したいか
制約は何か技術・時間・・デバイスの制限
成功の定義は何かどの状態になれば「良いUIができた」と言えるか

つまずきやすいポイント

「要件定義が終わったらUIを作り始める」は順序が間違っています。要件はあくまで機能の定義であり、UXの目的と制約は別途明示する必要があります。

→ 関連UI原則:目的と制約を先に置く / 主要導線を先に決める


STEP 2|UX心理で「なぜ」を理解する

ユーザーの行動・認知・感情のメカニズムを先に理解する

設計判断の根拠は、常に「人間の認知・行動・感情の仕組み」から来ます。心理法則を知らずに設計すると「なんとなくそうした」になります。

設計前に確認する主要な心理法則

カテゴリ代表法則UIへの
認知・知覚認知負荷 / ゲシュタルト原則一画面の情報量を絞る / グループ化で整理する
行動・意思決定ヒックの法則 / フィッツの法則選択肢を絞る / ボタンを大きく・近くに
記憶・学習ピーク・エンドの法則 / ミラーの法則体験の頂点と終わりに注力 / 7±2を意識
感情・動機美的ユーザビリティ効果 / ザイガルニク効果見た目の品質がUXに影響 / 未完了を示して離脱を防ぐ
デフォルトバイアス / 損失回避適切なデフォルト設計 / 「失うもの」を明示

つまずきやすいポイント

心理法則を「知っている」だけでは使えません。「このUIのどの判断にどの法則が関係するか」を設計前に明示することが重要です。

UXリファレンス119記事一覧


STEP 3|UI原則で「何を」設計するか決める

心理法則を「設計ルール」に翻訳するステップ

UX心理は「なぜそうなるか」を説明しますが、「では何を設計するか」は答えません。UI原則がその橋渡しをします。

8カテゴリで判断する

カテゴリ問い代表原則
01 視覚設計重要度が伝わるかコントラスト / 視覚的階層
02 認知設計迷わず理解できるか段階的開示 / チャンク化
03 操作と対話今何が起きているか伝わるか状態の可視化 / フィードバック
04 情報構造と導線目的地に辿り着けるか情報アーキテクチャ / ナビゲーション設計
05 体験設計また使いたいと思わせるか期待値を揃える / 達成感・進捗
06 信頼・倫理安心して使えるか透明性 / ダークパターンを避ける
07 アクセシビリティすべてのユーザーが使えるかコントラスト / キーボード操作
08 設計思想拡張・改善し続けられるか設計システム思考 / 計測できる形にする

つまずきやすいポイント

「コンポーネントから選ぶ」のではなく「適用する原則を先に決める」ことが重要です。コンポーネントから入ると「見た目で選ぶ」になります。

UIデザイン原則65記事一覧


STEP 4|UIコンポーネントで「どう」形にするか

原則を満たすコンポーネントを選び、状態を設計する

UI原則が決まれば、それを実装するコンポーネントが自然に絞られます。コンポーネントの選択は「どれが好きか」ではなく「どれがこの原則を満たすか」で決めます。

原則→コンポーネントの対応例

UI原則適切なコンポーネント
段階的開示Accordion / Tooltip / Sheet
状態の可視化Toast / Progress Bar / Status Bar
フィードバックAlert / Toast / Loading
選択肢を減らすSelect / Radio Button / Command Palette
情報アーキテクチャSidebar / Tabs / Breadcrumb

状態設計のチェック

コンポーネントを選んだ後、必ず全状態を設計する

Default → Hover → Focus → Active → Disabled → Loading → Error → Empty

この8状態を設計しないコンポーネントは「未完成」です。

→ 関連UI原則:状態と例外を先に設計する

UIコンポーネント69記事一覧


STEP 5|状態と例外を先に設計する

「うまくいったとき」だけ設計するのがUIデザイン最大のミス

エラー・空の状態・ローディング・エッジケース——これらを「後回し」にする習慣がUIの品質を下げます。ユーザーが最もストレスを感じるのは、多くの場合「例外」が起きたときです。

設計すべき7つの状態

状態内容対応コンポーネント
Empty Stateデータがない・初回利用Empty State
Loading Stateデータ取得中・処理中Loading / Spinner
Error State操作失敗・通信エラーAlert / AlertDialog
Success State操作完了・保存完了Toast
Disabled State操作不可・権限なしButton Disabled / Form Disabled
Edge Case極端に長い文字列・0件・100万件各コンポーネントのmax設計
Offline State通信なしStatus Bar / Alert

つまずきやすいポイント

「正常系だけを作って共有する」は設計完了ではありません。異常系・例外系こそ先に設計を決めることで、実装フェーズの手戻りが大幅に減ります。

→ 関連UI原則:誤操作を防ぐ / エラーから回復できる / 空の状態


STEP 6|計測できる形にする

「良いUIができた」は数値で確認するまで完成しない

設計が終わった後に「計測できる指標」を定義しないと、改善の優先順位が感覚になります。UIデザインはリリースではなく「改善サイクル」の開始です。

代表的なUI計測指標

指標内容関連する原則
タスク完了率目標操作をユーザーが完了できる割合主要導線を先に決める
エラー発生率操作中にエラーが発生する頻度誤操作を防ぐ
操作時間目標到達までの所要時間フィッツの法則 / ヒックの法則
離脱率・CVR途中離脱・目標達成の割合段階的開示 / フォーム設計
満足度スコア / NPS など主観的な評価ピーク・エンドの法則

計測設計の3ステップ

  1. 仮説を立てる:「このUIを改善すれば〇〇率が上がるはず」
  2. 指標を定義する:成功・失敗をどの数値で判断するか
  3. ログを仕掛ける:クリック・ページ遷移・エラー発生をトラッキングできる状態にする

→ 関連UI原則:計測できる形にする / 設計システム思考


設計プロセスを実践に活かす3つのパターン

UI設計プロセスをプロジェクトに組み込む実践パターンです。

パターン1|機能設計時(新規画面・新規フロー)

新しい画面や機能を設計するときの思考順序:

  1. STEP 1 で「この画面で解く問題」を一文で書く
  2. STEP 2 で「このユーザー行動に関係する心理法則」を3つ挙げる
  3. STEP 3 で「適用するUI原則カテゴリ」を絞る
  4. STEP 4 でコンポーネントを選び、全状態を設計
  5. STEP 5 で例外系を先にリストアップ
  6. STEP 6 で「何が改善したら成功か」を定義する

パターン2|改善設計時(既存UIの問題解決)

既存UIに問題が起きているときの分析順序:

  1. 問題を「どのSTEPで設計が欠けているか」に分類する
  2. 関連するUX心理法則を逆引きする
  3. 修正すべきUI原則を特定する
  4. コンポーネントの状態設計を見直す

パターン3|レビュー・フィードバック時

デザインレビューで「なぜ」を説明するときの構造:

「[UX心理法則] に基づいて、[UI原則] を適用するために、[UIコンポーネント] を選びました」

この構造で説明できない設計決定は、「感覚で決めた」ことを意味します。


まとめ|UI設計プロセスは「なぜ」から始まる

UIデザインは「画面を作る仕事」ではなく「問題を解く仕事」です。

本記事では、UI設計の思考順序を6ステップで整理しました。

  • STEP 1:目的と制約を先に置く
  • STEP 2:UX心理で「なぜ」を理解する
  • STEP 3:UI原則で「何を」設計するか決める
  • STEP 4:UIコンポーネントで「どう」形にするか
  • STEP 5:状態と例外を先に設計する
  • STEP 6:計測できる形にする

設計プロセスを理解することで「なぜそのUIか」を根拠とともに説明できるようになります。

さらに体系的に学びたい方は、以下のハブ記事から各レイヤーを深掘りできます。

UI設計プロセスとは、UX心理・UI原則・UIコンポーネントを正しい順序で使い、設計判断を言語化するための思考フレームワークです。


UXデザインを体系的に学ぶ

UI設計の「プロセス」を理解したら、各レイヤーを深掘りしよう。


関連リンク

UI設計の体系を理解する

関連UX理論

各リファレンス一覧

更新のお知らせ

サイトに載せていない実例や、新しい記事のお知らせはこちらで出しています。

読んだ内容を、自分の画面に当てるとき

UIXHEROは、記事を書くほかに、画面の検品・判定、デザインシステムの構築、実装と改善の伴走を受けています。何を頼めばいいか決まっていない段階の相談も、同じ窓口で受けます。

UIXHEROに頼めることを見る

※ 記事の内容についての質問や、書いてほしいテーマの要望も同じ窓口で受けています

記事をシェア

メールでお知らせを受け取る

最終更新: 2026年3月6日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

あわせて読みたい

この記事に関連する記事をご紹介します

UIデザイン完全ガイド|UI原則・UXデザインの法則・コンポーネントを体系化

UI原則、UI設計原則、UXデザインの法則をWhy→What→Howで体系化。UX心理・UI原則・UIコンポーネントをつなげて学ぶUIXHEROの総合入口ガイド。

2026年3月5日
28

UIデザイン原則まとめ|UI設計を支える65の原則

UI原則とは何か、UI設計でどう使うかを解説。視覚設計から認知設計、操作・対話、情報構造、アクセシビリティまで65のUIデザイン原則を体系化。

2026年3月5日
24

UIデザインの基本 (Overview)

「UIデザイン=画面を綺麗にすること」と思われている——この誤解がプロダクトを壊す。ユーザーとシステムの間にある「対話」を設計し、目的達成を邪魔しない道具を作るUIデザインの根本原則。

2026年2月18日
7

もっと深く知りたいですか?

ここに掲載されていないトピックについても、リクエストがあれば解説記事を追加します。 わかりにくい点や、具体的な事例について知りたいことがあれば教えてください。

リクエストを送る

その画面、AIに作らせたあと「出していいか」誰が判断していますか?

UIXHERO の知識を、実際の画面の判断に。AIが作ったUIの課題・改善優先度・判断根拠を、 6観点で整理する軽量 Design QA です。

Design QA を見る