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UI検品の観点「Trust(信頼)」とは — 画面の数字が信じられるかを確かめる3つの手順

Trustは、UI検品で使う6つの観点のうちの4つめです。主張に根拠が添えてあるか、お金や個人情報に安心材料があるか、表記が事実と釣り合って一貫しているかを見ます。AIが作った1画面を材料に、Trustが何を見る観点なのかと、自分の画面で確かめる3つの手順をまとめます。

2026年8月12日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)

この記事の要点

  • Trust(信頼)は、検品で使う6つの観点のうちの4つめです。画面に出ている内容が信じられる状態かを見ます
  • 画面の種類で、見る中身がいちばん大きく変わる観点です。業務画面では「表記が事実と釣り合い、一貫しているか」が主役になります
  • AIが作った1画面では、「本日の撮影 2」の下に「7/17」とだけあり、今日が7月17日なのか、7月17日に撮った分なのかが読めませんでした

Trust(信頼)とは何を見る観点か

UI検品では、1つの画面を6つの観点に分けて見ます。(明瞭さ)、Flow(導線)、Action(行動)、Trust(信頼)、Friction(摩擦)、Feasibility(実装性)の6つです。

このうち Trust が見るのは、画面に出ている内容が信じられる状態かです。確かめるのは3つ。

  1. 主張に対する根拠(実績、数字、第三者の声)が近くにあるか
  2. お金・個人情報に関わる箇所で、安心材料が示されているか
  3. 表現が事実と釣り合っており、画面内の表記が一貫しているか

この観点は、画面の種類で見る中身がいちばん大きく変わります。

申し込みや購入の画面なら、1と2が主役です。社内で使う業務画面では、その2つが当てはまらないことが多くなります。 実際の検品でも、Trust の設問のうち7問は業務画面の分母から外しています。「第三者の声」を求めても、社内の台帳画面には置きようがないからです。

代わりに効いてくるのが3つめです。数字の出どころと時点、そして画面の中で言葉が揃っているか。 ここからは、その3つめを中心に見ていきます。

自分の画面のTrustは、自分では判定できない

ここでの壁は、数字の意味を知っていることです。

「本日の撮影」がどの時点で集計されているか、作った人は知っています。「要是正」が何を母数にした数か、コードを書いたので分かります。分かっているので、書き足す必要を感じません。

見る人はそうではありません。数字だけを渡されて、それが何をいつ数えたものかを推測することになります。 推測が外れる可能性がある限り、その数字は判断に使えません。

そして Trust が崩れると、画面全体に効きます。 1つの数字が疑わしいと、隣の数字も確かめたくなる。Clarity(明瞭さ)の記事で書いた「画面が名乗る内容と中身が食い違うと、他の表示まで疑われる」と同じことが、数字でも起きます。

実例:AIが作った施工写真台帳のTrust

材料は前回までと同じ、 群青(GUNJO) で作られた画面です。群青を一度も見たことのないAIに、公開ドキュメントとnpmで配っている中身だけを渡して組ませた、建設業の施工写真台帳です。

6観点で検品した結果のうち、Trust は 3/5 でした。

観点スコア
Clarity(明瞭さ)2/5
Flow(導線)3/5
Action(行動)3/5
Trust(信頼)3/5
(摩擦)3/5
Feasibility(実装性)静止画では非採点

指摘はこうでした。

「本日の撮影 2」の基準日が分からない(9/12)

画面の上に並ぶ、4つの数字

この画面のいちばん上には、指標のカードが4枚並んでいます。

施工写真台帳の指標カード4枚。総枚数8・絞り込み8枚、本日の撮影2・7/17、要是正1・是正済2、台帳選択中0・確定0枚タップして拡大表示 上部に並ぶ4枚のカード。左から、総枚数、本日の撮影、要是正、台帳 選択中

数字はきちんと出ています。問題は、それぞれが何を数えたものかです。 真ん中の2枚を拡大します。

「本日の撮影 2 / 7/17」と「要是正 1 / 是正済 2」の2枚のカードを拡大したものタップして拡大表示 拡大したところ。数字の下に添えられた文字を読んでください

「本日」なのに、日付が書いてある

左のカードは「本日の撮影」で、数字が 2、その下に「7/17」とあります。

ここで読む人は迷います。今日が7月17日なのでしょうか。それとも、7月17日に撮った分を数えたのでしょうか。 前者なら「本日」で足りるので日付は要りません。後者なら「本日」ではなく「7/17の撮影」です。

年も書かれていません。 施工写真は数年にわたって溜まるので、7/17がどの年かは判断に効きます。

12体のレビュアー(AIと人間がまざっています)のうち、9体がここを指摘しました。

1件と2件で、合計が合わない

右のカードは「要是正」で、数字が 1、その下に「是正済 2」。

全体は8枚です。要是正が1、是正済が2。合わせて3で、残りの5枚は何なのか書かれていません。

これは、たぶん数え方が違うだけです。「要是正」はいま対応が必要な枚数、「是正済」はこれまでに対応が終わった枚数。別々の母数を数えているなら、食い違いではありません。

しかし画面にはそう書かれていないので、読む人には食い違って見えます。 数字を合わせる必要はありません。何を数えたのかを書けば、それで済みます。

自分の画面で確かめる3つの手順

最初に挙げた Trust の3つを、自分の画面で確かめます。手順はその3つに1つずつ対応しています。

手順確かめること
手順1出している数字に、出どころと時点があるか
手順2相手が不安になる箇所に、答えが置いてあるか
手順3同じものが、画面の中で同じ言葉になっているか

道具は要りません。いま作っている画面を開いて、順に試してください。

手順1 数字を1つずつ指して、「いつの、何を数えた数か」と聞く

画面に出ている数字を全部書き出します。件数、金額、割合、日付、なんでもです。

そして1つずつ、「これはいつ時点の、何を数えた数か」と聞きます。答えが画面に書かれていないなら、そこが直し先です。

書き方はこうです。

  • 時点:「7月17日 18:00時点」。「本日」「最新」だけでは、いつなのかが決まりません
  • 母数:「未対応の写真 1枚(全8枚中)」。何のうちの数かを添えます

数字を消すのは最後の手段にしてください。 出どころが書けないから消す、をやると、判断に必要な情報まで消えます。まず書き足す方向で考えます。

手順2 相手が不安になる箇所を1つ挙げて、その場に答えを置く

その画面で、見る人がいちばん不安になる箇所を1つ挙げます。

  • お金を扱う画面なら、金額が確定するタイミング
  • 個人情報を入れる画面なら、それが何に使われるか
  • 業務画面なら、この操作が他の人にどう見えるか(誰に共有されるのか、取り消せるのか)

挙げたら、その答えが、不安になる場所のすぐ近くにあるかを見ます。別ページの規約に書いてあっても、その場では読まれません(透明性信頼と安全)。

社内の業務画面でこの手順が空振りすることはあります。空振りしたなら、それでかまいません。 手順1と3に進んでください。

手順3 同じものを指す言葉を数えて、1つに揃える

画面の中から、同じものを指しているのに違う言葉になっている箇所を探します。

  1. 画面の文字を上から読む
  2. 同じものを指す言葉が2つ以上あったら、書き出す
  3. 1つに決めて、全部それに揃える

施工写真台帳なら、「要是正」と「是正済」と、写真に付いている「検査」のラベル。近い意味の言葉が3つあります。 業務で使われている呼び方に寄せるのが基本です(わかる言葉で書く)。

見た目の揃え方も同じです。同じ種類の情報は、同じ大きさ・同じ形で出します(視覚的な一貫性)。

3つ通っても、Trustの入口です

ここまでは、道具なしで1人でできる範囲です。実際の検品では、Trust だけでもう少し細かく見ます。出来事の順序や前後関係が画面の中で矛盾していないか、といった設問もあります。

採点基準は全項目を公開しています。 6観点62項目で、Trust の設問もそのまま読めます。

Review Framework(6観点62項目)を見る — design-qa.com/frameworkdesign-qa.com を新しいタブで開く

Trustは、画面の種類で中身が変わる

4つめまで見てきて、Trust には他と違う性質があります。当てはまる設問が、画面の種類で大きく変わります。

Clarity から Action までの3つは、どんな画面でもほぼ同じことを聞けました。何の画面か。戻れるか。押した先が分かるか。

Trust は違います。申し込みの画面では「安心材料があるか」が主役ですが、社内の台帳画面では置きようがありません。 実際の検品で7問を業務画面の分母から外しているのは、そのためです。

だから Trust を見るときは、こう聞いてから始めます。

この画面を見る人は、何を疑うだろうか。

買う人が疑うのは、金額と条件です。業務で使う人が疑うのは、数字の出どころと時点です。疑う対象が違うので、置く答えも変わります。

疑われないことが目的ではありません。 疑ったときに、画面の中だけで確かめられる状態にしておくことが目的です。

実物を見る

判定の材料と、実際の画面はどちらも公開しています。


この記事は、UIXHEROがAI(Claude)と協働で制作しています。検品の設計・判断・公開前の事実確認は人間が行い、実作業と下書き執筆はAIが担っています。

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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