REVIEW FRAMEWORK — 6観点
UI検品の6観点 — 自分の画面をどう見るか
UI検品では、1つの画面を6つの観点に分けて見ます。観点を分けるのは、「なんとなく分かりにくい」を、直せる場所まで落とすためです。
それぞれの観点が何を見るもので、自分の画面でどう確かめるかを、1つずつ説明します。道具は要りません。
なぜ6つに分けるのか
AIに作らせた画面を、そのままAIに見てもらうと、指摘が100件返ってくることもあります。課題を見つけるのは、AIの得意な仕事だからです。けれど、そのあとに人が用意するものが3つ残ります。
- その100件のうち、直すと事業の数字が動くのはどれか、の見きわめ
- この画面を世に出してよいか、直してから出すか、作り直すかを社内で決めるための根拠
- チームが次から自分たちで画面を見直せるようになるための、共通の観点
指摘が100件あっても、どれから直すかの順番が付かないかぎり何も決まりません。要るのは、100件それぞれに決まった観点名を付けることです。件数は減りませんが、これで指摘どうしを比べられます。順番はその次の段で決めます。6つに分けているのは、画面を作る人と、出してよいかを決める人のあいだで、言葉が食い違わないようにするためです。「なんとなく使いにくい」ではなく「Actionの観点が弱い。最初に押すボタンが決まっていない」と言えれば、AIにも人にも同じ指示が渡せます。Actionは、次に何をすればよいかが画面から分かるかを見る観点です(このあとの一覧の3つめ)。
判断に変える3点セット
観点に分けただけでは、まだ順番は決まりません。指摘の1件ずつに、3つのラベルを付けます。
- 重さ(Severity):Critical(この画面の目的が達成できない、または事業の数字を直接損なう)、Major(目的は達成できるが、迷い・離脱・不信を生む)、Minor(体験は成立している。余力があれば直す)
- 確信度(Confidence):High(複数の根拠から、ほぼ確実に問題と言える)、Medium(問題の可能性は高いが、文脈やデータで確かめたい)、Low(仮説。計測やユーザーテストでの確認が要る)
- 事業影響:その問題を放っておくと、どの数字がどう動くか
順番を決めるのは重さだけです。 確信度は順番を動かしません。その順番で手を付けたときに、すぐ直すか、先に確かめるかを分けます。事業影響は、その順番を社内で通すときの理由になります。
観点名と、問題・その理由・次にやることを添えると、指摘1件はこういう形になります。
観点:Action(行動)
重さ:Major / 確信度:High
問題:
ボタンが3つ並んでいて、
最初に押すものが分からない
なぜ問題か:
資料請求・問い合わせ・詳細閲覧の
どれが先か、画面から読めない
事業影響:
資料請求率・問い合わせ率が下がる
次にやること:
主なボタンを1つに絞り、
残り2つはその先の画面に置く
「ボタンが多い」という感想が、「Action観点のMajor、確信度High、資料請求率と問い合わせ率に効く、主なボタンを1つに」という、あとから読み返しても筋の追える判断に変わります。
AIに任せる部分と、人が持つ部分
6つの観点は、AIを使わずに済ませるための分け方ではありません。画面をAIに作らせること自体はやめずに、担当だけを分けるための分け方です。はじめに挙げた「人が用意するものが3つ」を、AIと人の分担で言い直します。
- AIに任せる:画面を作る。その画面から候補になる指摘を洗い出す。報告の下書きを作る
- 人が持つ:挙がった指摘を採るか捨てるか。出してよいか、直してから出すか、作り直すか。6つのうちどの観点を自分たちの事業で重く見るか
ボタンや余白や色の作り方を先に決めておく仕組み(デザインシステム)を入れると、形・余白・色のばらつきはかなり消えます。それでも、この画面に何をどの順で載せるかでよいか、出してよいかの判断は残ります。6つの観点は、その残った判断を、チームが同じ言葉で話せるようにするためにあります。
6つの観点
REVIEW AXIS — 6観点
SCORE — 5点満点・高いほど良い
Clarity(明瞭さ)
何の画面か、いちばん大事な情報はどれか、次に何をすればいいか。この3つが画面から読み取れるかを見ます。
Flow(導線)
前の画面からの流れがつながっているか、次の一歩が見つかるか、戻る・やり直すができるかを見ます。
Action(行動)
主な行動が1つに定まっているか、入力が最小限で済むか、押した結果が押す前に予測できるかを見ます。
Trust(信頼)
数字の出どころと時点が読めるか、不安になる箇所に答えがあるか、画面の中で表記が一貫しているかを見ます。
Friction(摩擦)
目的までのステップが必要なものだけか、選ばせる数が収まっているか、空・エラー・待ちに手当てがあるかを見ます。
Feasibility(実装性)
文字量やデータ量が変わっても崩れないか、狭い画面でも成立するか、実際に動くかを見ます。静止画では点を付けません。
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ここでは各観点の要点だけを扱います。実際の検品で使う設問は、6観点62項目としてすべて公開しています。