#464
UX基礎・原則
#464認知負荷
認知負荷
別名・表記:Cognitive Load
UIXHERO Definition
脳のワーキングメモリ(作業記憶)が処理できる情報量には限界がある。負荷が高すぎると、ミスが増え、理解度が下がり、ユーザーは離脱する。
概要
ユーザーが特定のタスクを行うために使用する脳のワーキングメモリ(作業記憶)の量のこと。 人間が一度に処理できる情報量には限界(マジックナンバー4±1)があり、この限界を超えると、学習効率の低下、ミスの増加、そして最終的には「離脱」につながります。
詳細解説
認知負荷は一般に3種類に分類されます(Swellerの認知負荷理論)。
- 課題内在性負荷 (Intrinsic): タスクそのものの難しさ。例:微積分の計算など。
- 課題外在性負荷 (Extraneous): 情報提示の仕方による無駄な負荷。UXデザインで減らすべきはこれです。 例:わかりにくい説明文、整理されていないレイアウト、不必要なアニメーション。
- 学習関連負荷 (Germane): 理解を深めるための良い負荷。
UXでの活用
- チャンキング: 電話番号(090-1234-5678)のように、情報を小さな塊に分ける。
- プログレッシブ・ディスクロージャー: 一度に全ての情報を見せず、必要な時に必要なだけ表示する。
- 慣習の利用: 一般的なUIパターンに従うことで、学習コストを下げる(ヤコブの法則)。
💡 使いどころ
全てのUIデザインにおいて意識すべき基本原則。特に、決済フローや設定画面など、複雑になりがちなプロセスで重要。
⚠️ 注意点・誤用
負荷をゼロにすることはできないし、すべきでもない(学習のための適切な負荷は必要)。減らすべきは「無意味な負荷(使いにくさ、わかりにくさ)」である。
具体例
- 入力フォームを複数ページに分割する(ウィザード形式)
- 不要な装飾やリンクを削除し、メインのタスクに集中させる(ランディングページ)
出典・参考文献:
- Sweller, J. (1988). Cognitive load during problem solving: Effects on learning. Cognitive Science, 12(2), 257–285.
- Sweller, J., Ayres, P., & Kalyuga, S. (2011). Cognitive Load Theory. Springer.