#547
ユーザー理解・リサーチ
#547わーくもでる
ワークモデル
別名・表記:Work Modelワークモデル図作業モデル
UIXHERO Definition
UIXHEROでは、ワークモデルを「現場で観察した仕事の実態を、流れ・順序・道具・関係者・場所といった観点別の図に整理したもの」と定義する。
概要
Contextual Design では、観察した仕事を複数の観点から図にすることで、1つの視点では見えない構造を捉えようとする。初版で提示された代表的なモデルには次のようなものがある。
- フローモデル: 誰と誰の間で、どんな情報・モノが行き交うか
- シーケンスモデル: 作業がどの順序で進み、どこで中断や手戻りが起きるか
- アーティファクトモデル: 現場で使われている帳票、メモ、自作ツール
- 文化モデル: 方針、慣習、力関係といった目に見えない影響
- 物理モデル: 作業空間の配置と動線
第2版では、モバイル利用や個人の生活を含む現代的な文脈に合わせて、扱うモデルの構成が見直されている。
UXでの活用
- 要件の発見: アーティファクトモデルに現れる自作Excelや手書きメモは、既存システムに欠けている機能を示していることが多い。
- 中断の可視化: シーケンスモデルは、電話や割り込みで作業がどこで切れるかを示す。保存・再開の設計に直結する。
- チームでの共有: 図にすることで、現場に行っていないメンバーとも同じ前提で議論できる。
誤用・混乱
- 現状の図解=設計案ではない: ワークモデルをそのまま画面構成に写すと、既存の非効率まで再現してしまう。
- 1人分で終えない: 個別の観察を統合して初めて、共通する構造と個別の事情が区別できる。
- 精緻さを目的にしない: 図の完成度を上げること自体は成果ではない。設計判断が変わるかどうかで、描く粒度を決める。
💡 使いどころ
コンテキスチュアルインクワイアリやフィールド調査の直後。観察メモのままではチームで扱えない情報を、設計に使える形に変換する時。
⚠️ 注意点・誤用
ワークモデルは観察された現状を表す図であって、あるべき姿ではない。また複数人の観察結果を1枚に統合する工程(統合ワークモデル)を経ないと、個別事例の記録にとどまる。
具体例
- 仕事の情報が誰から誰へ流れているかを描いたフローモデル
- 作業の順序と、その途中で起きる中断や手戻りを描いたシーケンスモデル
- 現場で使われている帳票・付箋・Excelを列挙したアーティファクトモデル
出典・参考文献:
- Contextual Design (Hugh Beyer, Karen Holtzblatt)
- Contextual Design, 2nd Edition (Karen Holtzblatt, Hugh Beyer)