#506
ユーザー理解・リサーチ
#506あふぃにてぃだいあぐらむ
アフィニティダイアグラム
別名・表記:Affinity Diagram親和図法KJ法(類似手法)アフィニティマッピング
UIXHERO Definition
UIXHEROでは、アフィニティダイアグラムを「調査で集めた断片的な事実を、意味の近さでグループ化しながら論点を立ち上げる整理手法」と定義する。
概要
アフィニティダイアグラムは「分類する」手法ではなく「意味を発見する」手法として使う。 最初に用意するのはカテゴリではなく事実である。1枚の付箋に1つの事実(発言・行動・状況)を書き、似ていると感じたものを物理的に寄せていく。ある程度の塊ができた段階で、その塊が何を言っているのかを言葉にして見出しにする。
日本ではKJ法と同一視されることが多いが、KJ法は川喜田二郎による発想法の体系で、図解化と叙述化まで含む。UX実務で使われるアフィニティダイアグラムは Contextual Design の系譜で語られることが多く、両者は近縁だが同じものではない。
UXでの活用
- インタビュー分析: 5〜8人分の発言を横断すると、個別の要望の裏にある共通の状況や制約が見えてくる。
- ユーザビリティテストの所見整理: 「どこで詰まったか」を寄せると、単発の操作ミスと構造的な問題を切り分けやすい。
- チームの共通理解づくり: 開発者やステークホルダーを分析に同席させることで、報告書を読ませるより早く納得が生まれる。
誤用・混乱
- グループの付箋枚数を「ニーズの強さ」として扱うのは誤り。発言数はインタビューの聞き方や参加者構成に強く影響される。定量的な優先度を出したい場合は別途アンケートやログで確かめる。
- 1枚に複数の事実を書くと、どのグループにも入らない付箋が増えて分析が止まる。粒度を揃えることが前提条件になる。
💡 使いどころ
インタビューや観察で付箋レベルの発言・行動メモが大量に集まり、そのままでは示唆を取り出せない時。分析の最初のステップとして使う。
⚠️ 注意点・誤用
グループ名を先に決めてから付箋を振り分けると、既存の思い込みを再確認するだけになりやすい。事実を先に並べ、グループ名は後から付ける。またグループの大きさは「重要度」ではなく「その話題に触れた発言数」でしかない。
具体例
- インタビュー発言を1枚1事実で付箋化し、近いものを寄せてから見出しを付ける
- 複数ユーザーの操作つまずき箇所をまとめ、共通の障壁を言語化する
- デスクリサーチのメモを整理して、検証すべき仮説の候補を洗い出す
出典・参考文献:
- Contextual Design (Hugh Beyer, Karen Holtzblatt)
- 『発想法』川喜田二郎(KJ法の原典。アフィニティダイアグラムとは系譜が異なる点に注意)