#539
ユーザー理解・リサーチ
#539たすくぶんせき
タスク分析
別名・表記:Task AnalysisHierarchical Task Analysis作業分析階層的タスク分析
UIXHERO Definition
UIXHEROでは、タスク分析を「ユーザーが目標を達成するまでの手順を、行動・判断・必要な情報の単位に分解して整理する手法」と定義する。
概要
タスク分析でよく使われるのが階層的タスク分析(HTA)である。最上位に目標を置き、それを達成するためのサブタスクへと分解していく。分解の途中で「どういう時にどちらを選ぶか」という判断条件(plan)も併記する。
書き出す対象は行動だけではない。各手順で必要になる情報、参照する外部資料、他者とのやり取り、失敗した時の回復手順まで含めると、設計に必要な材料が揃う。
UXでの活用
- 画面分割の根拠: どこまでを1画面にまとめるかを、手順のまとまりから判断できる。
- 自動化の候補発見: 人が毎回同じ判断をしている箇所は、初期値や自動計算で置き換えられる可能性がある。
- ユーザビリティテストの設計: テストで課すタスクは、実際の手順から切り出すと現実的なものになる。
誤用・混乱
- 現行業務の写し取りで終えない: 「今こうやっている」の背景には、旧システムの制約や部署間の慣行が含まれている。目標に立ち返らずに再現すると、非効率が固定される。
- 想像で作らない: 実際の作業を観察せずに作ったタスク分析は、設計者の思い込みの図解になる。
- ユーザーフローとは別物: タスク分析は目標の分解、ユーザーフローは画面遷移や分岐の表現で、抽象度が異なる。
💡 使いどころ
業務システムや手順の多いフローを設計する時。既存の作業をそのままデジタル化してよいのか、手順ごと見直すべきかを判断したい時。
⚠️ 注意点・誤用
タスク分析は「今どうやっているか」を明らかにする手法であり、「どうあるべきか」を示すものではない。現行手順をそのまま画面に写すと、非効率まで再現してしまう。目標(何のためにやっているか)に戻って再設計する工程が必要になる。
具体例
- 「請求書を発行する」を、データ確認・金額計算・承認依頼・送付の単位に分解する
- 各手順で必要な情報、判断基準、詰まりやすい箇所を書き出す
- 手順の中で、システム側が肩代わりできる判断を特定する
出典・参考文献:
- A Guide to Task Analysis (Barry Kirwan, Les Ainsworth)
- Contextual Design (Hugh Beyer, Karen Holtzblatt)