#507
テスト・評価
#507えーおーあい
AOI(関心領域)
別名・表記:AOIArea of Interest関心領域注視領域ROI (Region of Interest)
UIXHERO Definition
UIXHEROでは、AOIを「アイトラッキングの結果を数値で比較するために、画面上にあらかじめ区切っておく分析対象の範囲」と定義する。
概要
アイトラッキングの生データは「いつ・どこを見たか」の座標の連続でしかない。これを意味のある指標にするには、画面のどこからどこまでを1つの要素とみなすかを決める必要がある。この区画がAOI(Area of Interest, 関心領域)である。
AOI単位で集計できる代表的な指標には、初回注視到達時間(Time to First Fixation)、注視回数(Fixation Count)、総注視時間(Total Fixation Duration)、到達率(何%の参加者の視線がその領域に入ったか)がある。
UXでの活用
- 要素が見つかっているかの確認: CTAへの到達率が低ければ、コピーの問題ではなく配置やコントラストの問題である可能性が高い。
- A/B比較: レイアウト2案で同じAOIを使い、初回注視到達時間を比べる。
- 仮説の反証: 「ここは目立ちすぎでは」という懸念に対し、実際には視線が入っていないことを示せる場合がある。
誤用・混乱
- 注視=理解ではない: 長く見ていることは、関心が高いことも、わかりにくくて読み直していることも意味しうる。発話思考法やインタビューと併用しないと解釈を誤る。
- 後付けのAOI: データを見てから領域を引き直すと、有意差を作り出せてしまう。AOIと比較する指標は計測前に決める。
- 少人数の平均ヒートマップ: 参加者が数名の場合、ヒートマップの色の濃さは個人差に大きく左右される。傾向の提示にとどめる。
💡 使いどころ
アイトラッキング調査で「ヒートマップを眺める」以上のことをしたい時。特定のボタンや見出しへの到達率・到達時間を条件間で比較するために、計測前に領域を決めておく。
⚠️ 注意点・誤用
AOIは分析者が任意に引く線であり、引き方を変えれば数値も変わる。結果を見てから境界を調整すると、都合のよい差を作り出せてしまう。またAOIに視線が入ったことは「見た」ことを示すが、「読んだ」「理解した」ことは示さない。
具体例
- CTAボタンを1つのAOIとして定義し、初回注視までの時間を条件A/Bで比較する
- 商品ページの「価格」「レビュー」「配送情報」をそれぞれAOIとし、注視時間の配分を見る
- グローバルナビゲーションをAOIとして、そもそも視線が入らないことを確認する
出典・参考文献:
- Eye Tracking: A comprehensive guide to methods and measures (Holmqvist et al.)
- Eyetracking Web Usability (Jakob Nielsen, Kara Pernice)