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デザインQAの確認項目|画面を出す前に見る8分野のチェックリスト

画面を公開する前に見るデザインQAの確認項目を、8分野のチェックリストにして、合格ラインの数字の出典つきで示します。分野は余白・文字・押せるもの・色とコントラスト・配置と揃え・状態の表示・入力・画像です。デザインQA(Design QA)は、実装された画面が設計どおりに見えるか、使う人が迷わず操作できるかを公開前に確かめる工程で、動くかを見るQAテストとは別に行います。

2026年9月16日
26
by Dengen Yosho(DGYS)

この記事の要点

  • 画面を公開する前に見る確認項目を8分野に分け、1項目ごとに「見るもの」「どう確かめるか」「閾値」「出典」の4つの欄を用意しました。閾値(合格ラインの数字)は、規格や提供元の公式文書(一次資料)にあるものだけを書き、合否の線が公表されていない項目は数字を置かず「目安」(判断の材料)と書いています
  • デザイン(Design QA)は、実装された画面が設計どおりに見えるか、使う人が迷わず操作できるかを、公開する前に確かめる工程です。実装後に、デザイナーなど公開の責任を持つ人が、出来上がった画面と設計時のデザインファイル(画面の設計図)を見比べる作業を指します
  • QAテスト(品質保証のテスト)は「動くか、仕様どおりか」を見ます。デザインQAは「設計どおりに見えるか、迷わず操作できるか」を見ます。片方が通っても、もう片方は別に確かめる必要があります

デザインQAという言葉の短い定義は、用語集の「デザインQA」にまとめています。この記事は、画面を公開する前に見る確認項目のほうを扱います。

デザインQAとは何か

デザインQA(Design QA)は、Design Quality Assurance を縮めた言い方で、日本語にすると「デザイン品質保証」です。実装された画面が設計どおりに見えるか、使う人が迷わず操作できるかを、公開する前に確かめる工程を指します。

QA(Quality Assurance、品質保証)は、あらかじめ決めた品質を製品が満たしているかを確かめる活動の総称です。その頭に「デザイン」が付くことで、確かめる対象が「動くか」から「見え方と操作」に移ります。

英語圏と日本での使われ方

Design QA は、英語圏では以前から使われている一般語です。カナダの開発会社 Rangle は2018年の記事で、デザインQAを「デザイナーが設計に込めた意図が、出来上がった画面に反映されているかを確かめること」と定義しています。クロアチアの開発会社 Infinum は社内の手順書で「デザインで定義したとおりに実装されているかを、デザイナーが確認する方法」と書いています。同じ手順書は、フォント、と揃え、ボタン、操作の状態(押している最中や押せないときの見え方)、画像など12の分類で確認項目を並べています。

日本でも同じ意味で使われています。スタディサプリの開発チームは2023年の記事で、エンジニアが実装したアプリの画面をデザイナーがレビューする工程をデザインQAと呼び、角の丸みや影の細部、状態ごとの見え方を確かめていると書いています。

綴りは「Design QA」と2語で書きます。英語圏では工程の名前は語を分けて書くのが普通で、1語に詰めた「DesignQA」は製品の名前に見えるためです。2語で書く規則の例外は、ドメイン名のようにスペースを使えない場所だけです(design-qa.com のように小文字とハイフンでつなぎます)。

「設計どおりか」から「出してよいか」へ

XHERO(このサイト)では、この語をもう1段広げて使っています。UIXHERO の使い方には2つの段があります。

  1. 設計どおりに実装されていて、明らかに操作を妨げる不備が無いかを確かめること
  2. その画面を公開してよいかどうかを判定すること

この記事の確認項目は、1つめのためのものです。2つめの判定に使う観点は、記事の後半で扱います。

QAテストとの違い

QAテストは、品質保証のテストです。プログラムが動くか、仕様どおりかを確かめます。

QAテストデザインQA
問い動くか。仕様どおりか設計どおりに見えるか。迷わず操作できるか
見るもの機能、データ、エラー処理、性能余白、文字、押せるもの、色と、配置と揃え、状態の表示、入力、画像(8分野)
主に確かめる人QA担当、開発者デザイナー、または画面を出す責任を持つ人
通らないとどうなるか動かない。壊れる動くが、読みにくい。押せない。迷う
行う時期実装後から公開前QAテストと並行、または直後(どちらも実装後から公開前)

QAテストが通った画面でも、ボタンが小さすぎて指で押せない、文字の色が薄くて読めない、入力を間違えてもどこが違うのか分からず直せない、といった問題は残ります。逆に、見た目が設計どおりでも、送信を押すとエラーになって先へ進めない画面は出せません。2つは別の問いなので、どちらか一方で置き換えられません。

用語としての違いは 品質保証(QA) にまとめています。設計の途中で案を評価する デザインレビュー とも時点が違い、デザインQAは実装が終わった後に行います。

チームが「この作業は終わり」と言うための条件表を、完成の定義(、DoD)と呼びます。完成の定義(DoD) に「デザインQAが完了していること」を入れる方法もあります。そうすると、この工程は誰かが気づいたときにやる作業ではなく、実装のたびに行う手順になります。

出す前に見る確認項目

ここからが確認項目です。8分野に分けました。1項目ごとに、見るもの、どう確かめるか、閾値、出典の4つの欄を用意しています。

「画面を出す前に見る確認項目(8分野)」の全体図。1 余白、2 文字、3 押せるもの、4 色とコントラスト、5 配置と揃え、6 状態の表示、7 入力、8 画像が、番号順に2段で並んでいる。その下に「どの分野も、同じ4つの欄の表で確かめます」とあり、見るもの、どう確かめるか、閾値、出典の4つの欄が横一列に並んでいるタップして拡大表示

閾値の読み方を先に決めておきます。

  • 閾値は、合格ラインの数字のことです。規格や提供元の公式文書(一次資料)にあるものだけを書いています。引いている先は、(Web Content Accessibility Guidelines。W3C が定めるウェブアクセシビリティの指針)の 2.2 版、Apple の Human Interface Guidelines(iPhone などのアプリの設計指針。以下 Apple HIG)、Google の Material Design 3(Android などの設計指針。以下 Material 3)、Nielsen Norman Group(ユーザビリティの調査会社。以下 NN/g)、MDN Web Docs(Mozilla が運営するウェブ技術の資料。以下 MDN)、Baymard Institute(ウェブの使い勝手を調べている調査会社)です。NN/g の創設者 Jakob Nielsen が1994年に公開した「ユーザビリティ10原則」は、「Nielsen(1994)の◯番」のように番号を付けて書きます
  • 「目安」と書いた項目は、一次資料に合否の線(数字、または WCAG が定める合否の条件文)が無いものです。出典に挙げた資料は、線ではなく考え方の根拠です。守る・守らないを決める線ではなく、見落としを減らすための判断の材料として使ってください。当サイトの解説ページを参照先にした項目は、出典の欄に「当サイト」と書いています
  • WCAG の各基準には A、AA、AAA の3段階があります。この記事では A と AA を満たすべき基準、AAA を余裕があれば満たす基準として扱います
  • 出典に出てくるそのほかの資料は、W3C WAI(Web Initiative。W3C のアクセシビリティ部門。以下 WAI)のチュートリアルです
  • 「コンポーネント」は、ボタン、入力欄、カードのように、画面を組み立てる単位のことです
  • 出典は、いずれも2026年9月16日に一次資料を読んで確認したものです

単位の読み方

  • CSS pxは、ブラウザが画面の細かさに関わらず使う単位です。画面の粒(物理的なピクセル)の数とは一致しません。開発者ツールに出る数字はこれです
  • WCAG に出てくる ptは印刷の単位で、1pt は 1.333 CSS px です。18pt は 24px、14pt は 18.7px に当たります。WCAG の注には約 18.5px とありますが、この記事では 18.7px を使います
  • Apple の pt と Google の dpは、画面の密度に依らない単位です。この記事では、どちらも CSS px と同じ大きさとして読みます。Material 3 の資料も、iOS の 44pt を換算せずにそのまま dp の数字と並べています。sp は Android で文字サイズに使う単位です
  • アプリの中の数値(pt、dp、sp)は、この記事の道具では読めません。作り手にデザインファイル上の数値を出してもらい、その数字と比べます

確かめるときに使う道具と操作

表の「どう確かめるか」に出てくる操作は、次の道具でできます。いずれも無料です。

  • 開発者ツールは、ブラウザに付いている用の画面です。Chrome なら右クリックの「検証」か F12 キーで開きます。Elements(要素)の画面で要素を選ぶと、幅と高さが出ます。文字サイズ(font-size)、行間(line-height)、書体(font-family)、太さ(font-weight)は、Computed(計算済み)の欄で読みます。値を書き換えて試すときは、Styles(スタイル)の欄で数字をクリックして打ち直します。HTML の中身(alt や disabled)は、Elements の画面のタグに書かれています
  • 大きさを読むときは、要素を選んだときに出る幅と高さを読みます。これは枠線の内側までの大きさで、内側の余白(padding)は含み、外側の余白(margin)は含みません
  • 間隔(隙間)を測るには、開発者ツールで要素を選び、Computed の欄にある枠の図で、外側の余白(margin)を読みます。隣り合う2つの要素の間隔は、間にある margin の合計です。読み取れないときは、画面を撮り、GIMP(無料の画像編集ソフト)の Measure(ものさし)ツールで測ります。Mac の高解像度の画面で撮った画像は、先に幅を 1/2 に縮めます

「開発者ツールに出る幅と高さ(padding を含み、margin を含まない)」と題した、横に並んだ2つの要素の図。どちらも内側から、「中身」、薄い青で塗った padding、黒い枠線、橙の破線で囲んだ margin の順に重なっている。左の要素には、枠線の左端から右端までの矢印に「幅」、枠線の上端から下端までの矢印に「高さ」と書かれている。2つの要素の枠線の間の隙間には矢印が2本あり、それぞれ「左の要素の margin」「右の要素の margin」と名前が付いている。その下に「間隔=この2つの margin の合計」とある。凡例は「枠線」「padding」「margin」タップして拡大表示

  • 幅を 320px にするには、開発者ツールの端末表示(Chrome では「デバイスのツールバー」)で幅に 320 と入力します
  • 通信を遅くする、止めるには、開発者ツールの Network(ネットワーク)の画面にある回線速度の設定で、遅い回線や Offline(オフライン)を選びます。同じ画面に、通信ごとの所要時間が出ます
  • コントラストチェッカーは、2つの色から色の濃さの差(コントラスト比)を計算する道具です。Chrome の開発者ツールでは、文字の色の欄を開くととの比が出ます。枠線やアイコンのように文字ではないものは、画面を撮り、色を拾う機能(スポイト)で2色を取り出して、WebAIM の Contrast Checker(無料のウェブ上の道具)に入れます
  • 画面を白黒にするには、Chrome の開発者ツールの Rendering(レンダリング)の画面で、Emulate vision deficiencies(視覚の状態を再現する設定)の Achromatopsia(色の区別がつかない状態)を選びます。Mac なら「システム設定」の「アクセシビリティ」にある「ディスプレイ」の「カラーフィルタ」でも白黒にできます
  • 画像を表示しないには、Chrome の「設定」の「プライバシーとセキュリティ」にある「サイトの設定」で、画像を表示しない設定にします
  • 画面の読み上げは、Mac なら VoiceOver(command キーと F5 キーで入切)、Windows ならナレーター(Windows キーと Ctrl キーと Enter キー)を使います
  • 線を重ねるには、画面を撮り、GIMP でガイド(等間隔の縦線)を重ねます。Mac の高解像度の画面で撮った画像は、先に幅を 1/2 に縮めます

1. 余白

フォームを帯と箱で描いた図。上の区画には、見出し、ラベル、入力欄、ラベル、入力欄が縦に並び、間を空けて次の区画の見出しが続く。ラベルと入力欄の間、入力欄と次のラベルの間の狭い隙間に青い線が引かれ、「区画の中の間隔 ラベルと入力欄、欄と欄」と書かれている。最後の入力欄と次の区画の見出しの間の広い隙間にも青い線が引かれ、「区画どうしの間隔 こちらのほうが広いかを見る」と書かれているタップして拡大表示

見るものどう確かめるか閾値出典
まとまりの中と外の間隔見出しで区切られた区画どうしの間隔と、区画の中のコンポーネントどうしの間隔を測り、前者が広いか。例:ラベルと入力欄が内側のまとまり、フォーム全体が外側のまとまり数値の閾値なし(目安)。近くにあるものは同じまとまりとして見られる(近接の原則)NN/g「Proximity Principle」(Harley, 2020)
画面の端と囲みの端幅 320px にして、文字やコンポーネントが、画面の端や、カードや枠などの囲みの内側に触れていないか数値の閾値なし(目安)当サイト:余白(Whitespace)
間隔の値の種類同じ役割の間隔を数か所測り、値が1種類に揃っているか数値の閾値なし(目安)。関係する要素の間隔が一定だと、目で追いやすいMaterial 3「Grids & spacing」

2. 文字

見るものどう確かめるか閾値出典
フォントの数開発者ツールで見出しと本文を選び、Computed の欄の font-family を読み比べる。見出し用と本文用の2つに収まらないなら、理由を言えるか数値の閾値なし(目安)。書体を増やすと、情報の階層が見えにくくなるApple HIG「Typography」
本文の文字サイズウェブは開発者ツールで本文の font-size を読む。アプリは作り手にデザインファイル上の数値を出してもらうウェブはブラウザの既定 16px を下回らないこと(既定値を線にする)。iOS アプリは 17pt を基準に、11pt を下回らないこと。Android アプリは 14sp が基準MDN「font-size」/Apple HIG/Material 3
行間(広げても崩れないか)開発者ツールの Styles の欄で line-height を文字サイズの 1.5 倍に書き換え、重なりや欠けが出ないか1.5 倍に広げても内容と機能を失わないこと(AA)WCAG 1.4.12
行間(元の値)元の line-height を font-size で割る。normal と出たら行間が指定されていない状態なので、1.5 未満として扱う1.5 以上(AAA)WCAG 1.4.8
行長(1行の文字数)パソコンの幅(例:1280px)で見て、本文でいちばん長い行を1つ選び、文字数を数える日本語は1行 40 字以内(WCAG 1.4.8、AAA)。英語は 50 から 75 字(Baymard, 2022)WCAG 1.4.8/Baymard「: The Optimal Line Length」
拡大したときの崩れブラウザの拡大を 200% にして、文字が重なったり切れたりしないか200% まで、内容と機能を失わないこと(AA)WCAG 1.4.4

3. 押せるもの

「押せる範囲は 24×24 CSS px 以上が基準」「満たないもの(実線の四角)は、隣から離れていれば可」と題した、2つの場合の図。左は「隣も 24×24 に満たない」場合。小さな四角が2つ並び、それぞれの中心に「直径 24px の円」が破線で描かれ、2つの円は重なっていない。中心から中心までの矢印に「中心どうし 24px 以上」とある。右は「隣は 24×24 以上」の場合。小さな四角の隣に「大きいボタン」があり、小さな四角の中心に描いた円は大きいボタンの枠に重なっていない。中心から枠までの矢印に「中心から隣の枠まで 12px 以上」とある。下に「破線は、中心に置いた直径 24px(半径 12px)の円。隣に重ならなければ可」と書かれているタップして拡大表示

見るものどう確かめるか閾値出典
押せる範囲の大きさ開発者ツールでボタン、リンク、アイコンを選び、出てくる幅と高さを読む(枠線の内側までの大きさ。周りの margin は含めない)24×24 CSS px 以上(AA)。44×44 以上で AAAWCAG 2.5.8/2.5.5
24×24 に満たないものの例外前の行で 24×24 に満たなかったものだけ見る。隣も 24×24 に満たないなら、中心どうしの距離を測る。隣が大きいなら、中心から隣の枠までの距離を測る中心どうしが 24px 以上、または中心から隣の枠までが 12px 以上なら可(AA)。満たなければ不合格WCAG 2.5.8 の例外
アプリの場合の大きさスマートフォンのアプリなら、作り手にデザインファイル上の数値を出してもらい、OS ごとの数字と比べるiOS は 44×44pt が合格線。28×28pt はやむを得ない場合の下限で、理由を言えないなら不合格。Android は 48×48dpApple HIG/Material 3
押せるものどうしの隙間隣り合うボタンやアイコンの間の隙間を測るウェブは 8px 以上(Material 3 の 8dp を CSS px に読み替え)。iOS アプリは、枠のあるボタンどうしで約 24pt(各ボタンの周りに約 12pt ずつ)、文字だけのものどうしで約 48pt(同 24pt ずつ)。iOS の数字は Apple HIG が「約」と書いているので目安Material 3/Apple HIG
押せると分かる見た目画面を撮り、文字の部分を塗りつぶす。それでも押せる場所が分かるか。色、形、下線、影のどれで見分けているか数値の閾値なし(目安)。押せる印が弱いと、利用者が作業を終えるまでの時間が延びるNN/g「Flat UI Elements」(Moran, 2017)/当サイト:アフォーダンス
5つの状態通常、ホバー(マウスを載せた)、フォーカス(Tab キーで選んだ)、押下(押している最中)、無効(押せない)の5つが見た目で区別できるか。ページを途中までスクロールしてから Tab キーを押し続け、選ばれている場所が上下の固定された帯に隠れないかフォーカスの印が見えること(AA)。固定ヘッダーなどに完全に隠れないこと(AA)。Material 3 はこの5つにドラッグ中を加えた6つを定義WCAG 2.4.7/2.4.11/Material 3「States」
ホバーで出る内容ツールチップや補足が、マウスを載せると出るなら、その上にマウスを動かしても消えないか。載せたまま 10 秒ほど置いて消えないか。Esc キーで閉じられるか閉じられる、その上にマウスを載せられる、勝手に消えない、の3条件(AA)WCAG 1.4.13

4. 色とコントラスト

見るものどう確かめるか閾値出典
本文のコントラスト文字色と背景色の比をコントラストチェッカーで測る4.5:1 以上(AA)WCAG 1.4.3
大きな文字のコントラスト開発者ツールの Computed で font-size と font-weight を読み、大きな文字に当たるか決めてから、コントラストチェッカーで比を測る3:1 以上(AA)。「大きな文字」は、font-weight が 700 以上(太字)なら 19px 以上、太字でなければ 24px 以上。WCAG の 14pt と 18pt を切り上げた当サイトの決めWCAG 1.4.3
UIコンポーネントとアイコン入力欄の枠線、ボタンの輪郭、アイコン、フォーカスの印の色をスポイトで取り、比を測る。枠線は外側の地色との比(内側の色とも接するなら、比の小さいほう)。アイコンは面積のいちばん広い色3:1 以上(AA)。無効状態のものは対象外WCAG 1.4.11
色だけで伝えていないか画面を白黒にして、エラー、必須、選択中、リンクが分かるか色を唯一の手がかりにしないこと(A)WCAG 1.4.1
無効に見えて有効なもの薄い色のボタンを開発者ツールで選び、disabled(無効)の印が付いているか見る。押して確かめない(1) 無効ではなく、比が 3:1 未満なら不合格。(2) 無効ではなく、比は足りているが薄く見えるだけなら、基準では不合格にならないので、目で見つけて直す。無効と指定されたものは対象外WCAG 1.4.3/1.4.11 の適用除外

5. 配置と揃え

画面の写しに、青い縦線を同じ間隔で重ねた図。左端の線に「1本目」、線と線の間に「どの間も同じ幅」と書かれている。見出しの帯と横に並んだカードは、左端が縦線の上にあり、青い点が打たれている。その下の橙の枠のボタンは、左端が線と線の間にあり、橙の点が打たれている。凡例は、青い点が「左端が線に乗っている(見出しとカード)」、橙の点が「どの線にも乗っていない(橙の枠のボタン)」タップして拡大表示

見るものどう確かめるか閾値出典
列(グリッド)に乗っているか画面を撮り、いちばん多くの要素が並ぶ左端を1本目にして、いちばん狭い列の幅の間隔で縦線を重ね、どの線にも乗らない要素を数える。乗らない要素があれば、作り手に理由を聞く数値の閾値なし(目安)当サイト:グリッドシステム
同じ役割は同じ見た目かいちばん押してほしいボタン(送信、購入など)、リンク、見出しが、画面をまたいで同じ大きさ、色、位置か数値の閾値なし(目安)。同じ意味のものが違う見た目になっていないことNielsen(1994)の4番「一貫性と
狭い幅での崩れ開発者ツールの端末表示で幅を 320px にし、横スクロールが出ないか、内容が欠けないか幅 320 CSS px で、横方向のスクロール無しに読めること(AA)WCAG 1.4.10
長い文字列での崩れ名前、住所、件名に全角 40 字を入れ、はみ出しや重なりが出ないか。100 字ほどの切れ目のない URL も入れる数値の閾値なし(目安)当サイト:状態と例外を先に設計する

6. 状態の表示(読み込み中、空、エラー、成功)

「押してから結果が出るまでの時間と、その間に出すもの」と題した、横向きの時間の軸の図。軸には 0、0.1秒、1秒、10秒の目盛りがある。0 から 0.1秒の間に「即時と感じる」とある。軸の上には3つの箱が並び、0 から 1秒までが「1秒までは、表示を求めない」、1秒から10秒までが「動いていると分かる表示」、10秒より先が「進み具合の表示」タップして拡大表示

見るものどう確かめるか閾値出典
読み込み中2段で見る。(1) 回線を遅くして押し、結果が出るまでの間に画面に何が出ているか見る。(2) 遅くしない状態で押し、その通信の所要時間を Network の画面で読む(2) の時間が 1 秒を超えるなら、(1) で動いていると分かる表示が出ること。10 秒を超えるなら進み具合が出ること。0.1 秒までは即時と感じるNN/g「s」(Nielsen, 1993)
空の状態データが0件の状態(作ったばかりのアカウント、0件の検索)で、一覧や検索結果に何が出るか。なぜ空か、次に何をすればよいかが書かれているか数値の閾値なし(目安)当サイト:Empty State(空状態)
エラーの状態3つ試す。(1) 開発者ツールで通信を止めて送信する。(2) 必須の欄に通らない値を入れて送信する。(3) 見る権限の無いページの URL(作り手に用意してもらう)を開く(2) は、どの欄がなぜ駄目かを文字で示すこと(WCAG 3.3.1、A)。(1) と (3) は、原因と次にすることを、起きた場所の近くに文字で出すこと(NN/g)WCAG 3.3.1/NN/g「Error-Message Guidelines」(2023)
成功の状態送信、保存、削除のあとに、済んだことが画面で分かるか。読み上げを入にして保存を押し、完了の知らせが読み上げられるか聞く完了の知らせが、フォーカスを移さずに読み上げにも伝わること(AA)。見た目が変わらない操作ほど、利用者は完了に気づけないWCAG 4.1.3/Nielsen(1994)の1番「システム

7. 入力

見るものどう確かめるか閾値出典
ラベル全ての入力欄に、常に見えるラベルがあるか。ラベルをクリックすると入力欄にカーソルが入るか入力を求める全ての箇所に、ラベルか説明があること(A)WCAG 3.3.2/WAI「Labeling Controls」
プレースホルダー入力欄の中の薄い文字だけで、何を入れるかを伝えていないか。1文字入れて薄い文字が消えたあとも、何を入れる欄かがラベルなどで分かるか数値の閾値なし(目安)。プレースホルダーをラベルの代わりにしない。入力を始めると説明が消えて思い出せなくなり、入力前の薄い文字は入力済みと見間違えられるWAI「Form Instructions」/NN/g「s」(Sherwin, 2014)
エラー文わざと間違えて送信し、どの欄が、なぜ間違いかが文字で出るか。直し方が書かれているか間違った項目を特定し、文字で説明すること(A)。直し方が分かるなら提案すること(AA)WCAG 3.3.1/3.3.3
必須の示し方必須の印(アスタリスクなど)の意味が、フォームの前に説明されているか。必須と任意の区別が色だけになっていないか印の意味は、フォームの前に書く。色だけで区別しない(A)WAI「Form Instructions」/WCAG 1.4.1

8. 画像

見るものどう確かめるか閾値出典
代替テキスト(内容)ブラウザの設定で画像を表示しない状態にし、内容が通じるか意味のある画像には、同じ目的を果たす文字を付ける(A)WCAG 1.1.1/WAI「An alt Decision Tree」
代替テキスト(飾り)開発者ツールの Elements で画像の alt の中身を読み、飾りの画像が空(alt="")になっているか。その画像を消しても本文の意味が変わらないなら飾り飾りの画像は空の alt にして、読み上げから外す(A)WCAG 1.1.1/WAI「An alt Decision Tree」
解像度開発者ツールで画像を選ぶと、表示サイズと元の大きさ(Intrinsic size)が出る。元が表示サイズの縦横2倍に満たないか表示サイズの縦横2倍以上(3倍の画面まで見るなら3倍以上)。高解像度の画面は 1pt を縦横2倍か3倍のピクセルで描くためApple HIG「Images」
画像の中の文字文字をマウスでなぞって選べるか試す。選べない、または拡大するとぼやけるなら画像。画像なら、拡大や読み上げで扱えないので、文字に直せないか検討する。ロゴやマーク、画面の写真のように、見た目そのものが必要なものは対象外文字で表現できるなら、文字の画像ではなく文字を使う(AA)WCAG 1.4.5
切れと幅 320px にして、人の顔や商品が切れていないか。縦横比が変わってつぶれていないか数値の閾値なし(目安)当サイト:画像とメディア

見た目と操作の層と、判断の層

上の8分野は、どれも道具を使えば、人によらず同じ答えが出る項目です。ボタンの押せる範囲は大きさを測れば分かり、文字と背景の明るさの差(コントラスト比)は計算で出ます。この記事では、これを見た目と操作の層と呼びます。

一方で、確認項目を全部通した画面でも、「何の画面か一目で分かるか」「次に押すものが1つに絞れているか」といった問いには、まだ答えが出ていません。申し込みや問い合わせを受ける画面なら、「この会社に任せて大丈夫だと思えるか」も同じ種類の問いです。道具では測れないので、人が見て判断します。UIXHERO はこの問いの集まりを判断の層と呼びます。判断の層の問いに画面が答えられているかを見る作業を、UIXHERO では UI検品と呼び、その6つの観点を公開しています。後述のサービス「UIXHERO Design QA」は、この UI検品を第三者として引き受けるものです。

2つの層を左から右へ並べた図。左の箱は「1 見た目と操作の層」で、「8分野の確認項目(この記事)」「道具で測ると、人によらず同じ答え」と書かれている。右の箱は「2 判断の層」で、「UI検品の6観点」「人が見て判断する」と書かれている。左の箱から右の箱へ矢印が伸び、「片づけてから進む」とある。右の箱だけを橙の括弧で囲み、「この層を引き受けるサービスが UIXHERO Design QA」と示しているタップして拡大表示

6つの観点は次のとおりです。観点ごとの説明は UI検品の6観点 にあります。

  • (明瞭さ):何の画面か、次に何をすればよいかが分かるか
  • Flow(導線):画面から画面への流れがつながっているか
  • Action(行動):申し込みや問い合わせを、迷わず実行できるか
  • Trust(信頼):根拠や実績が伝わり、安心して任せられるか
  • (摩擦):途中で手が止まる場所が無く、最後まで進めるか
  • Feasibility(実装性。壊れにくさ):実装したあとに文字量や画面幅が変わっても崩れない、壊れにくい作りか

2つの層には順番があります。見た目と操作の層が整っていないと、判断の層の問いに答えられません。文字が読めない画面では「何の画面か言えるか」を試せませんし、ボタンが押せない画面では「次の一歩が見つかるか」を試せません。この記事の確認項目は、文字が読めない、ボタンが押せないといった明らかな不備を先に片づけるためのものです。 それを済ませてから、判断に進みます。全部通っても「出してよい」にはなりませんが、通っていなければ判断に進めません。

自分で見きれないときの頼み先

8分野を1人で全部見るには、ブラウザの開発者ツール、コントラスト比を測る道具(コントラストチェッカー)、実際のスマートフォンやパソコン、そして時間が要ります。作った本人は設計を覚えているぶん、画面に書いていないことまで頭の中で補って読んでしまい、見落としが出ます。

UIXHERO は、判断の層の判定を第三者として引き受けるサービスを「UIXHERO Design QA」の名前で提供しています。工程の名前と同じ語を使っていますが、こちらはサービスの名前です。UIXHERO Design QA(サービスの案内) に、6つの観点と判定の仕組みをまとめています。AI が作った画面を主な対象にしていますが、観点は人が作った画面にも同じように使えます。

まとめ

  • デザインQA(Design QA)は、実装された画面が設計どおりに見えるか、使う人が迷わず操作できるかを、公開する前に確かめる工程です。綴りは2語で書きます
  • QAテストは「動くか」を、デザインQAは「設計どおりか、迷わず操作できるか」を見ます。片方では、もう片方を置き換えられません
  • 確認項目は8分野に分け、閾値は一次資料にある数字だけを書きました。合否の線が無い項目は「目安」です
  • 確認項目を全部通しても「出してよい」にはなりません。判断の層は別にあり、見た目と操作の層はその手前の不備を片づけます

次に読む

参考にした資料

いずれも2026年9月16日に一次資料を読んで確認しました。

WCAG 2.2(W3C)

W3C WAI チュートリアル

Apple Human Interface Guidelines

  • Accessibility(コンポーネントの既定と最小の大きさ、コンポーネントの周りの余白、文字の既定と最小の大きさ)
  • Typography(書体の数)
  • Images(解像度の倍率)

Google Material Design 3

Nielsen Norman Group(NN/g)

そのほか


この記事は、UIXHEROがAI(Claude)と協働で制作しています。確認項目の設計、判断、公開前の事実確認は人間が行い、実作業と下書き執筆はAIが担っています。

更新のお知らせ

サイトに載せていない実例や、新しい記事のお知らせはこちらで出しています。

読んだ内容を、自分の画面に当てるとき

UIXHEROは、記事を書くほかに、画面の検品・判定、デザインシステムの構築、実装と改善の伴走を受けています。何を頼めばいいか決まっていない段階の相談も、同じ窓口で受けます。

UIXHEROに頼めることを見る

※ 記事の内容についての質問や、書いてほしいテーマの要望も同じ窓口で受けています

関連する用語 (Glossary)

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最終更新: 2026年9月16日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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