#483
心理学・認知バイアス
#483ひゅーりすてぃっく
ヒューリスティック (Heuristic)
別名・表記:Heuristics思考の近道簡便法
UIXHERO Definition
「経験則による勘」。詳しく調べずに、パッと見や過去の経験で判断すること。
概要
認知心理学および意思決定研究における重要概念。
特にダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーによる「ヒューリスティックとバイアス」研究により体系化された。
人間は常に論理的思考(システム2)を使うのではなく、多くの日常的判断を省エネルギーな直感的処理(システム1)に委ねている。
UIデザインにおいては、ヤコブ・ニールセンの「10のユーザビリティ・ヒューリスティック」は、実証研究に基づく経験則として整理された評価ガイドラインであり、ここでの“ヒューリスティック”は「認知的近道」という意味とはやや異なる文脈で使われている。
UXでの活用
- メンタルモデルの活用: 現実世界のメタファー(ゴミ箱、フォルダなど)を使うことで、ユーザーの既存の知識(ヒューリスティック)を利用し、学習コストを下げる。
- 社会的証明: 「一番売れています」「〇〇人も使っています」という表示は、他者の行動を参考にするというヒューリスティックを利用して、決断を促す。
- 希少性: 「残りわずか」と表示することで、「手に入りにくいものは価値がある」というヒューリスティックを刺激する。
💡 使いどころ
ユーザーの認知負荷を下げたい時。慣れ親しんだUIパターン(ヤコブの法則)を採用することで、ユーザーはヒューリスティックを使って直感的に操作できる。
⚠️ 注意点・誤用
ヒューリスティックへの依存は、認知バイアスの原因となる(利用可能性ヒューリスティック、代表性ヒューリスティックなど)。重要な判断でヒューリスティックのみに頼らせると誤解を招く恐れがある。
具体例
- 「高い値段のものは質が良い」と判断する(価格のヒューリスティック)
- 専門家の意見は正しいと信じる(権威ヒューリスティック)
- 有名ブランドなら安心だと思う(知名度ヒューリスティック)
関連用語
出典・参考文献:
- Tversky, A., & Kahneman, D. (1974). Judgment under uncertainty: Heuristics and biases. Science, 185(4157), 1124–1131.
- Gigerenzer, G., & Gaissmaier, W. (2011). Heuristic decision making. Annual Review of Psychology, 62, 451–482.
- Kahneman, D. (2011). Thinking, Fast and Slow. Farrar, Straus and Giroux.
- Simon, H. A. (1955). A behavioral model of rational choice. Quarterly Journal of Economics, 69(1), 99–118.
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