#128
ユーザー理解・リサーチ
#128しゃかいてきのぞましさばいあす
社会的望ましさバイアス (Social Desirability Bias)
別名・表記:Social Desirability Bias社会的期待バイアス
UIXHERO Definition
社会的規範や期待に沿った回答をしようとすることで、自己申告データが実態よりも「望ましい方向」に歪められる心理的傾向。
概要
1950年代にAllen L. EdwardsやCrowne & Marloweらによって体系的に研究された概念。
Crowne-Marlowe Social Desirability Scale は、この傾向を測定する代表的尺度として広く用いられている。
回答者は、社会的に好ましいとされる行動や態度を過大に報告し、望ましくない行動を過小報告する傾向がある。無意識のうちに、社会的規範(Social Norms)に沿った回答をしようとする圧力(Normative Pressure)を感じている。
UXでの活用
- 投影法: 「あなたはどう思いますか?」の代わりに「一般的な人はどう考えると思いますか?」と聞くことで、本音を引き出しやすくする。
- 匿名性の保証: 「このアンケートは匿名であり、回答が外部に漏れることはありません」と明記し、心理的安全性を高める。
- 行動ログとの照合: 自己申告データだけを鵜呑みにせず、実際の利用ログと照らし合わせて分析する(態度と実際の行動が一致しない現象=Attitude-Behavior Gap の考慮)。
💡 使いどころ
ユーザーリサーチの設計時。特に、倫理、環境問題、健康、寄付など、道徳的価値観が関わるテーマを扱う際に注意が必要。
⚠️ 注意点・誤用
直接的な質問(例:「リサイクルに関心はありますか?」)は避け、過去の行動事実を尋ねる(例:「先週、リサイクルに出したゴミは何ですか?」)ようにする。特に倫理・健康・環境など道徳的評価が伴うテーマでは、このバイアスが強く働くため、間接質問や行動ベースの質問設計が推奨される。
具体例
- 「選挙に行きますか?」という質問に、実際よりも多くの人が「行く」と答える
- 「健康に気を使っていますか?」に「はい」と答えるが、実際はジャンクフードばかり食べている
出典・参考文献:
- Crowne, D. P., & Marlowe, D. (1960). A new scale of social desirability independent of psychopathology. Journal of Consulting Psychology, 24(4), 349–354.
- Edwards, A. L. (1957). The social desirability variable in personality assessment and research. Dryden Press.
- Fisher, R. J. (1993). Social desirability bias and the validity of indirect questioning. Journal of Consumer Research, 20(2), 303–315.
- Krumpal, I. (2013). Determinants of social desirability bias in sensitive surveys: A literature review. Quality & Quantity, 47(4), 2025–2047.
- Podsakoff, P. M., MacKenzie, S. B., Lee, J. Y., & Podsakoff, N. P. (2003). Common method biases in behavioral research: A critical review. Journal of Applied Psychology, 88(5), 879–903.
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