#354
心理学・認知バイアス
#354スラッジ
スラッジ
別名・表記:Sludge
UIXHERO Definition
「ナッジ(良い行動を促す肘突き)」の反対語。ユーザーにとって不利益な行動を促したり、有益な行動(解約など)を意図的に困難にしたりする悪いデザイン。ダークパターンの一種。
概要
行動経済学者のリチャード・セイラー(ナッジの提唱者)が、悪用されたナッジを「スラッジ(汚泥)」と名付けた。
ダークパターンとスラッジの関係性の違い
- ダークパターン:意図的な心理操作
- スラッジ:ユーザーの利益にならない摩擦全般(必ずしも巧妙でなくても成立)
UXでの活用
- 購読解除の隠蔽: 解約ボタンを深階層に隠したり、電話でしか解約できないようにする。
- 不必要な手続き: バウチャーを受け取るために、不必要に複雑な書類提出を求める。
💡 使いどころ
ユーザーに有益な行動(貯金、運動など)を阻害する悪い摩擦(Sludge)を取り除く改善を行う際、その存在を定義するために使う概念。
⚠️ 注意点・誤用
「意図的な摩擦(Intentional Friction)」とは区別する。スラッジはユーザーの利益にならず、ただ面倒なだけのもの(例:解約の電話が繋がらない、購読解除リンクが隠されている)。
具体例
- サブスクリプションの解約だけ電話必須にする仕様
- 「いいえ、結構です」というボタンの文字色を背景色と同化させて見にくくする
- エラーメッセージが抽象的で何をすればいいかわからない
- オプトアウトが初期状態で不利になっているチェックボックス
出典・参考文献:
- Richard Thaler: Nudge, Not Sludge
- Thaler & Sunstein: Nudge