#522
ユーザー理解・リサーチ
#522こんごうけんきゅうほう
混合研究法
別名・表記:Mixed Methodsミックスドメソッド混合法定性定量の組み合わせ
UIXHERO Definition
UIXHEROでは、混合研究法を「定量と定性を、目的に応じた順序と役割で組み合わせて1つの問いに答える調査設計」と定義する。
概要
混合研究法は組み合わせの順序で性格が変わる。
- 説明的順序(定量 → 定性): 数値で異常や差を見つけ、その理由を定性で探る。既存プロダクトの改善で最も使いやすい。
- 探索的順序(定性 → 定量): 定性で仮説や語彙を得て、それを設問化して規模を測る。新規領域や、聞くべきことが決まっていない時に使う。
- 並行収集: 同時に集めて突き合わせる。時間はかかるが、片方の結果に引きずられにくい。
UXでの活用
- 優先順位の根拠づけ: 定性で見つけた問題に、定量で「何%のユーザーに起きているか」を付けると、投資判断の議論になる。
- 数値の誤読の防止: 「完了率が低い」という数値は、難しいのか、そもそも不要なのかを区別しない。定性がないと施策を誤る。
- 反証の機会: 2つの手法で結論が食い違った時が、前提の見直しどころになる。
誤用・混乱
- 量が多いほうを正しいとしない: サンプル数が多いことは、その問いに答えられていることを意味しない。
- 定性で「割合」を語らない: インタビュー8人中5人という数字は、母集団の比率ではない。
- 後付けの組み合わせ: 別々の目的で実施した調査を後から並べても、混合研究法にはならない。同じ問いに対する設計であることが条件になる。
💡 使いどころ
「どれくらい起きているか」と「なぜ起きているか」の両方が必要な問いを扱う時。片方だけでは意思決定できないと分かっている時。
⚠️ 注意点・誤用
定量と定性を両方やることが混合研究法ではない。どちらを先に行い、その結果をどう次に使うかという設計が伴って初めて成立する。順序と役割を決めずに並走させると、結論が食い違ったときに解釈できなくなる。
具体例
- ログ分析で離脱の多い画面を特定し、その画面に絞ってユーザビリティテストを行う
- インタビューで出た仮説を、アンケートで規模を確かめる
- A/Bテストで差が出た理由を、事後のインタビューで探る
出典・参考文献:
- Designing and Conducting Mixed Methods Research (John W. Creswell, Vicki L. Plano Clark)
- Quantitative vs. Qualitative Research に関する Nielsen Norman Group の解説記事