UIXHERO
#387
心理学・認知バイアス
#387

ベネボレント・デセプション

ベネボレント・デセプション

別名・表記:Benevolent Deception

UIXHERO Definition

「慈悲深い欺瞞」の意味。ユーザーの利益のために、あえて嘘をついたり、事実とは異なる表示を行ったりするデザイン手法。

概要

嘘(Deception)は通常悪いことだが、UXにおいてはユーザーを安心させたり、スムーズに操作させるために必要な場合がある。

UXでの活用

  • 「送信中...」: 実際には一瞬で送信完了していても、あえて数秒間プログレスバーを表示することで、「しっかり処理してくれている」という安心感(労力の錯覚)を与える。
  • プラシーボボタン: 押しても実際には機能していないが、押すことでユーザーの気が済むボタン(エレベーターの「閉」ボタンの一部など)。

💡 使いどころ

システム上の制約(遅延など)を隠し、ユーザーの不安を和らげたり、スムーズな体験を提供したりするために「善意の嘘」をつく場合。

⚠️ 注意点・誤用

ユーザーに不利益を与える嘘(ダークパターン)とは明確に区別する。バレた時に「ユーザーのためを思ってやってくれた」と理解される範囲に留める。

具体例

  • Uberの車アイコンが滑らかに動く演出(実際の位置情報は飛び飛びだが、滑らかに見せたほうが安心する)
  • 進捗バーが途中で止まらず、一定速度で進むように見せる(実際は裏で止まっている)
出典・参考文献:
  • Norman, D. A. (2013). The design of everyday things (Revised and expanded edition). Basic Books.
  • Aaltonen, A., & Kujala, S. (2016). Towards an improved understanding of user experience in the context of waiting. Behaviour & Information Technology, 35(8), 593–606.
  • Zhu, J., & Watts, L. (2010). Between pleasure and frustration: The effect of perceived effort on user experience. International Journal of Human-Computer Studies, 68(12), 847–859.
作成: 2026年2月1日
更新: 2026年2月14日

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