#145
心理学・認知バイアス
#145じんこうてきなまちじかん
人工的な待ち時間
別名・表記:Artificial WaitingThe Labor Illusion労力の錯覚
UIXHERO Definition
「演出としての待ち時間」。早すぎると逆に不安になるため、わざと待たせること。
概要
「労力の錯覚(Labor Illusion)」に関連する概念。 ユーザーは、システムが自分のために「努力」している姿を見ると、その結果(アウトプット)の価値を高く評価する傾向がある。 逆に、複雑な要求に対する結果が一瞬で返ってくると、「手抜きされた」「適当な結果だ」と不信感を抱くことがある。
UXでの活用
- 信頼性の向上: セキュリティソフトのスキャンや、ローンの審査など、「入念なチェック」が期待される場面で、あえてプロセスを可視化し、時間をかける。
- 価値の演出: AIによる生成や、複雑なデータ分析の結果を表示する際、計算過程を見せることで「高度な処理を行った」という印象を与える。
💡 使いどころ
複雑な計算、セキュリティチェック、検索結果の表示など、ユーザーが「時間がかかって当然」と考える処理が、一瞬で終わってしまう場合。
⚠️ 注意点・誤用
単に待たせるだけではストレスになる。「処理中...」「検索中...」といったフィードバックを適切に返し、何が行われているかを可視化する必要がある。また、頻繁に行う操作(画面遷移など)では邪魔になるだけなので使用しない。
具体例
- 旅行比較サイトでの検索(「100社以上の航空会社を検索中...」と表示して数秒待たせる)
- セキュリティスキャン画面(一瞬で終わると「本当にチェックしたのか?」と疑われるため動くアニメーションを見せる)
- クレジットカードの承認処理
出典・参考文献:
- Maister, D. H. (1985). The psychology of waiting lines. In J. A. Czepiel, M. R. Solomon, & C. F. Surprenant (Eds.), The service encounter (pp. 113–123). Lexington Books.
- Hsee, C. K., & Wu, G. (2002). The effort heuristic. Journal of Psychological Science, 13(5), 430–434.
- Kahneman, D., Wakker, P. P., & Sarin, R. (1997). Back to Bentham? Explorations of experienced utility. The Quarterly Journal of Economics, 112(2), 375–406.
- Google. (2018). The illusion of speed. Google Web Fundamentals.
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