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ドア・イン・ザ・フェイス (Door in the Face)

最初にわざと無理な要求をして断らせ、その直後に本来の(小さな)要求を出すことで、「譲歩してくれた」という罪悪感を利用して承諾率を上げる交渉術。

2026年1月23日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)
ドア・イン・ザ・フェイス (Door in the Face)

ドア・イン・ザ・フェイスとは?

訪問販売員がいきなりドアを開けて大きな要求をし、目の前でドアをバタンと閉められる(拒絶される)から名付けられました。 人は誰かの要求を断ることに少なからずストレスや罪悪感を感じます。 その後「じゃあ、これならどうですか?」と小さな要求(実は本命)を出されると、「相手が譲歩してくれたのだから、こちらも譲歩しなければ(返報性の原理)」という心理が働き、OKしてしまいやすくなります。

UXデザインでの活用事例

1. 寄付やチップの提案

「毎月5,000円の寄付をお願いします」と提示し、「いいえ」と断られた直後に、「では、今回だけの500円の寄付はいかがですか?」とポップアップを出すと、最初から500円を頼むよりも成功率が上がります。

2. ダウンセル (Down-sell)

商品をカートに入れたまま離脱しようとしたユーザーに対し、安価な代替品や「10%OFFクーポン」を提示するのは、購入という大きなハードルを下げて(譲歩して)、コンバージョンを拾う典型的なテクニックです。

3. レビュー依頼

「アンケート(所要時間10分)にご協力ください」と頼み、断られた(×ボタンを押した)瞬間に、「では、星評価(1クリック)だけでもお願いします」と頼むと、高確率で評価してもらえます。

実装例: 無理な要求からの譲歩

高額プランを断った直後に廉価プランを提案された時の、心理的な受け入れやすさ(安堵感)を体験するです。

倫理的配慮 (Ethical Considerations)

  • 不快感: あまりにも非常識な要求を最初に突きつけると、ユーザーは「バカにされている」と感じて怒り出したり、即座に離脱したりします。最初の要求も(断られる前提とはいえ)ある程度の正当性が必要です。
  • 信頼の損失: 常に二重価格(定価を高額に設定し、常に割引して売る)のような見せ方を繰り返すと、「どうせまた裏があるんだろう」と信用されなくなります。

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参考文献

  • Cialdini, R. B., et al. (1975). "Reciprocal concessions procedure for inducing compliance: The door-in-the-face technique." Journal of Personality and Social Psychology, 31(2), 206–215. APA PsycNet

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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