#362
心理学・認知バイアス
#362テスラーの法則
テスラーの法則
別名・表記:Tesler S LawTesler's Lawテスラーの法則複雑性保存の法則Law of Conservation of Complexity
UIXHERO Definition
「複雑性保存の法則」。すべてのシステムには、誰かが負担しなければならない「減らすことのできない複雑さ」が存在する。それを負担するのはエンジニア(システム)か、ユーザーか?
概要
「複雑性保存の法則」とも呼ばれる。ラリー・テスラーが提唱。「どんなシステムにも、これ以上減らすことのできない固有の複雑さが存在する」という法則。 その複雑さを、エンジニア(システム)が肩代わりして処理するか、ユーザーに押し付けて処理させるかのどちらかになる。優れたUXは、システム側が複雑さを引き受けている。
UXでの活用
- 入力の自動化: 住所入力において、ユーザーにすべて手入力させる(ユーザー負担)のではなく、郵便番号から自動補完する(システム負担)機能を実装する。
- 設定の簡略化: 詳細な設定項目をすべてユーザーに見せるのではなく、AIやアルゴリズムで最適な設定を自動適用し、ユーザーには「おまかせ」ボタンだけ見せる。
- 裏側の処理: 決済処理やデータ同期など、複雑な通信プロセスを裏側で行い、ユーザーには「完了しました」というシンプルな結果だけを見せる。
💡 使いどころ
要件定義や設計段階。「シンプルにする」とは「複雑さを消す」ことではなく、「裏側に隠す(システムが負担する)」ことだと認識し、開発工数をかけてでもユーザー負担を減らす判断をする時。
⚠️ 注意点・誤用
すべてを自動化・隠蔽すると、上級ユーザーにとっての柔軟性が失われる場合がある。複雑さを「ユーザーがコントロールできる状態」で残すべき箇所もある。
具体例
- 入力フォームの住所自動入力(ユーザーの入力負担をシステム側の郵便番号DB連携で肩代わりする)
- Apple製品の初期設定の少なさ
出典・参考文献:
- Larry Tesler: Law of Conservation of Complexity
- Nielsen Norman Group: Tesler’s Law (Law of Conservation of Complexity)