#075
心理学・認知バイアス
#075きおくばいあす
記憶バイアス
別名・表記:Memory Bias
UIXHERO Definition
「思い出補正」。記憶は時間が経つにつれて美化されたり、都合よく書き換えられたりする。
概要
脳のエネルギー節約機能の一種。すべての情報を正確に記録するのはコストがかかるため、脳は要点や感情的なインパクトが強かった部分だけを保存し、隙間を推論で埋め合わせる。 このため、ユーザーの「満足度」は、実際の体験の総和ではなく、記憶に残った一部の印象によって決定される。
UXでの活用
- ピーク・エンドの法則: ユーザー体験のすべての瞬間を完璧にするのは難しい。そこで、感情のピーク(最高潮)とエンド(別れ際)だけを最高に演出することで、全体として「良い体験だった」と記憶させる。
- 再認のしやすさ: ユーザーに「思い出させる」負担をかけないUI設計(再生よりも再認)を行うことで、曖昧な記憶に頼らせない。
💡 使いどころ
ユーザーインタビューで過去の動機を聞く際、ユーザーの回答を鵜呑みにせず、バイアスがかかっている可能性を考慮する。体験そのものだけでなく、「どう記憶に残るか」を設計する(ピーク・エンドの法則など)時。
⚠️ 注意点・誤用
ユーザーのリサーチにおいて、過去の行動理由を「なぜ?」と聞きすぎると、ユーザーは無意識に辻褄の合うストーリーを創作してしまう(作話)。行動観察(エスノグラフィ)の方が信頼性が高い場合がある。
具体例
- 昔のゲームを久々にやったら、記憶よりも画質が悪くて驚く(思い出補正)
- 旅行の最中にトラブルがあっても、最後の景色が綺麗だと「いい旅行だった」と記憶する(ピーク・エンドの法則)
出典・参考文献:
- Kahneman, D. Thinking, Fast and Slow.
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