#047
心理学・認知バイアス
#047おとり効果
おとり効果
別名・表記:Decoy Effect
UIXHERO Definition
二つの選択肢の間で迷っている時、明らかに劣る「第三の選択肢(おとり)」を追加することで、特定の選択肢を選ばせやすくする心理的戦術。
概要
別名「非対称的支配効果」。 AとBという2つの選択肢があり、甲乙つけがたい場合、「Aより明らかに劣るC(おとり)」を追加すると、相対的にAの魅力が増して見え、Aが選ばれる確率が跳ね上がる現象。
有名な例:
- Web版購読: $59
- 印刷版購読: $125
- Web + 印刷版セット: $125
この場合、2番目の「印刷版単体」が明らかに損な「おとり」であり、これがあることで3番目のセットが「Web版が無料でついてくる超お得なプラン」に見えるようになる。
UXでの活用
- 価格プラン: 本命のプラン(松)を売りたい場合、それより少し安あだけで機能が大幅に制限されたプラン(竹)を用意する。
- 比較表: 競合他社との比較表において、自社より明らかに劣るポイントを目立たせる(ただし公平性を欠くと逆効果)。
💡 使いどころ
価格プランの提示時。特にミドルプラン(松竹梅の竹)や上位プランを選ばせたい場合。
⚠️ 注意点・誤用
露骨すぎるおとりは不信感を招く。「明らかに誰も選ばない無意味な選択肢」に見えないよう、絶妙なバランス調整が必要。※短期的なコンバージョンは上がっても、長期的な信頼を損なう設計はUXとして失敗である。
具体例
- 映画館のポップコーン(MサイズとLサイズの価格差を小さくし、Lサイズをお得に見せる)
- SaaSのプラン(BasicとProの価格差に対し、機能差を大きく見せるための極端に高価なEnterpriseプラン)
出典・参考文献:
- Huber, J., Payne, J. W., & Puto, C. (1982).Adding Asymmetrically Dominated Alternatives: Violations of Regularity and the Similarity Hypothesis.Journal of Consumer Research, 9(1), 90–98.
- Ariely, D.Predictably Irrational.HarperCollins, 2008.
- Tidwell, Jenifer.Designing Interfaces.O’Reilly Media.