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おとり効果 (Decoy Effect)

二つの選択肢の間で迷っている時、明らかに劣る「第三の選択肢(おとり)」を追加することで、特定の選択肢を選ばせやすくする心理的戦術。

2026年1月23日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)
おとり効果 (Decoy Effect)

この記事の要点(UIXHERO視点) XHEROでは、おとり効果を「比較対象への不満を利用した、本命への誘導」と捉える。 本記事では、あえて劣った選択肢(おとり)を混ぜることで、ターゲット商品のコスパを際立たせる価格設計の妙技を整理する。

おとり効果とは?

映画館のポップコーンのサイズ選びを想像してください。 Sサイズ($3)とLサイズ($7)だと、「$7は高いな、Sでいいか」と思います。 ここにMサイズ($6.5)を追加します。すると、「MとLで$0.5しか違わないなら、Lの方が断然お得だ!」と考え、Lサイズを選ぶ人が急増します。 このMサイズこそが、売る気のない「おとり(Decoy)」であり、Lサイズを魅力的に見せるための引き立て役です。

UXデザインでの活用事例

1. 料金プランの「松竹梅」

サブスクリプションで、「Basic(安価・低機能)」と「Pro(高価・高機能)」の間に、「Plus(Proに近い価格だが、機能はBasic寄り)」を置くことで、Proプランへの誘導(アップセル)を強化します。

2. 特典付きセット販売

電子書籍の販売で、「電子書籍のみ:$20」「紙の本のみ:$40」「電子+紙セット:$40」と提示すると、誰も「紙の本のみ」を買いませんが、この選択肢があることで「セットが無料みたいでお得!」と感じさせることができます(ダン・アリエリーの実験)。

3. 不採用案の提示

デザインのプレゼンで、本命のデザインAを通したい時、あえて質の低いデザインB(おとり)を混ぜておくことで、クライアントに「Aが良い」と確信を持って選ばせることができます(ただし、Bが選ばれないように注意が必要です)。

実装例: ポップコーンのサイズ選び

選択肢が2つの場合と、おとり(Mサイズ)がある場合。 ユーザーが「Lサイズ」を選ぶ確率(お得感)がどう変わるかのです。

実践ガイドライン (Practical Guidelines)

実装チェックリスト

倫理的配慮 (Ethical Considerations)

  • 廃棄物の増加: 食品サイズでを使い、消費者が食べきれないLサイズを注文させて廃棄を増やすことは、環境倫理的に問題があります。
  • 不誠実な選択肢: 明らかに誰も選ばないような酷い条件の「おとりプラン」を作成し、正規プランを良く見せる手法は、ユーザーを小馬鹿にしていると受け取られかねません。

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参考文献

  • Ariely, D. (2008). Predictably Irrational: The Hidden Forces That Shape Our Decisions. HarperCollins. Amazon

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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