#440
心理学・認知バイアス
#440決断疲れ
決断疲れ
別名・表記:Decision Fatigue
UIXHERO Definition
短期間に多くの決断を下すと、精神的なエネルギーが枯渇し、判断の質が低下したり、決断そのものを放棄(現状維持)してしまう現象。
概要
意思決定には認知的リソースが必要であり、それが連続すると自己制御や判断の質が低下する傾向がある。一日に可能な決断の量には限界があり、些細な選択を繰り返すとエネルギーが枯渇し、重要な判断ができなくなったり、衝動的な行動(どうでもいいものを買うなど)を取りやすくなる現象。 スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが毎日同じ服を着るのは、服選びによる決断疲れを避けるためと言われる。
UXでの活用
- 選択肢の削減: 「おすすめ」や「人気No.1」を提示し、ユーザーがゼロから選ぶ負担を減らす(ヒックスの法則)。
- デフォルト値: 最適な設定をあらかじめ選択状態にしておくことで、ユーザーの決断回数を減らす。
- ウィザード形式: 複雑な設定を一画面でやらせるのではなく、ステップごとに分割して「一度に行う決断」を小さくする。
💡 使いどころ
長時間の利用が見込まれるアプリや、設定項目が多いサービス。ユーザーのエネルギー消費を抑える設計が必要。
⚠️ 注意点・誤用
疲れたユーザーは「デフォルトのまま」にするか「何も選ばない(離脱)」かのどちらかになる。重要な決断はプロセスの序盤に配置する。
具体例
- ECサイトのレコメンド(膨大な商品から選ぶ疲れを軽減)
- 「おまかせ設定」ボタン(細かい設定をスキップさせる)
出典・参考文献:
- Baumeister, R. F., Vohs, K. D., & Tice, D. M. (2007). The strength model of self-control. Current Directions in Psychological Science, 16(6), 351–355.
- Danziger, S., Levav, J., & Avnaim-Pesso, L. (2011). Extraneous factors in judicial decisions. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(17), 6889–6892.