#099
ユーザー理解・リサーチ
#099こういしゃかんさつしゃばいあす
行為者-観察者バイアス (Actor-Observer Bias)
別名・表記:Actor-Observer BiasActor-Observer Asymmetry
UIXHERO Definition
「自分は悪くない」。自分の失敗は環境のせい、他人の失敗はその人のせい。自分の行動は状況のせいにしやすく、他人の行動は性格のせいにしやすい傾向。
概要
「視点の違い」が原因で起こるバイアス。 行為者(自分)は自分の周りの状況(環境)を見ているため、行動の原因を状況に求めやすい。 一方、観察者(他人)は相手(人物)を見ているため、行動の原因をその人の内面に求めやすい。
- 基本的な帰属の誤り (Fundamental Attribution Error) → 他人の行動を内的要因に帰属しがち
- 行為者-観察者バイアス (Actor-Observer Bias) → 自分と他人で帰属の傾向が違う
UXでの活用
- 共感(Empathy): ユーザー観察やインタビューを通じて、ユーザーが置かれている「状況(コンテキスト)」を深く理解し、観察者視点から行為者視点へと近づくことで、バイアスを軽減できる。
- 責任の所在: エラーメッセージやヘルプにおいて、ユーザーを責めるような表現(「入力ミスです」)を避け、システム側の案内不足として振る舞う(「正しい形式で入力してください」)ことで、ユーザーの反発を防ぐ。
💡 使いどころ
ユーザーからのフィードバック(クレームや要望)を分析する時。作り手(自分)と使い手(他人)の認識のズレを理解する時。
⚠️ 注意点・誤用
開発者は「ユーザーが使いこなせないのはリテラシーが低いからだ(性格への帰属)」と考えがちだが、ユーザーは「このアプリが使いにくいからだ(状況への帰属)」と考えている。この溝を埋めるのがデザイナーの役割。
具体例
- 自分が遅刻した時は「渋滞のせい」にするが、他人が遅刻した時は「時間の管理ができていない」と思う
- 自分がバグを出した時は「仕様が複雑だった」と言うが、他人がバグを出した時は「注意不足だ」と言う
出典・参考文献:
- Jones, E. E., & Nisbett, R. E. (1971). The actor and the observer: Divergent perceptions of the causes of behavior. In E. E. Jones et al. (Eds.), Attribution: Perceiving the causes of behavior (pp. 79–94). General Learning Press.
- Malle, B. F. (2006). The actor-observer asymmetry in attribution: A (surprising) meta-analysis. Psychological Bulletin, 132(6), 895–919.
関連する解説記事
関連する記事詳細が見つかりませんでした。