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ユーザーフローとジャーニーマップの違いとは?設計と分析での正しい使い分け

ユーザーフローは画面遷移の設計図、ジャーニーマップは体験全体の時系列分析です。本記事では、両者の違いと、プロジェクトのどのフェーズでどちらを使うべきかをわかりやすく解説します。

2026年3月24日
更新: 2026年9月3日
7
by Dengen Yosho(DGYS)

3行でわかるユーザーフローとジャーニーマップの違い

  • ユーザーフロー:ユーザーがタスクを完了するまでの画面遷移図
  • ジャーニーマップ:ユーザーの体験全体を時系列で可視化した図
  • 違い:フローは「どう動くか」を設計し、ジャーニーは「何を感じ、どこに課題があるか」を捉える

導入:「フローとジャーニー、どっちを作ればいい?」

「ユーザーの動きを整理したい。を作ればいいですか?」 「カスタマージャーニーマップを作ったのに、画面設計に使えない」

こんな悩みを聞くことがあります。これはユーザーフローとジャーニーマップの役割を混同していることから生じます。

両者は似たように見えますが、目的も粒度も全く異なります。

  • ユーザーフロー: 画面遷移の設計図(How)
  • ジャーニーマップ: 体験の時系列分析(Why / What)

フローは「動き」を設計し、ジャーニーは「体験全体」を可視化する。 この違いを理解していないと、適切なツールを適切なタイミングで使えない。本記事では、その違いと実務での使い分けを明確にする。


ユーザーフローとジャーニーマップの違い(定義)

ユーザーフローは「遷移」であり、ジャーニーマップは「体験」である。

項目ユーザーフロージャーニーマップ
定義ユーザーがタスクを完了するまでの画面遷移図ユーザーの体験を時系列で可視化した図
視点システム視点(画面・機能)ユーザー視点(感情・行動・課題)
粒度画面・ステップ単位フェーズ・単位
範囲プロダクト内の操作プロダクト内外を含む体験全体
用途設計、開発仕様、体験改善の優先順位付け
UIXHERO Definition
ユーザーフローとは「画面Aから画面Bへどう遷移するかの設計図」であり、ジャーニーマップとは「ユーザーが体験全体を通じて何を感じるかの可視化」である。

ユーザーフローはソフトウェア工学のプロセスフロー図を起源とし、画面遷移や分岐をする。ジャーニーマップはサービスデザインの文脈で発展し、顧客がサービスと関わる一連の接点を時系列で可視化するツールである。IDEOが述べたとおり、「個別の接点ではなく、体験全体を設計するために使う」。


一言での使い分け

ユーザーフローは「どう動くか」——画面遷移の設計図。 ジャーニーマップは「どう感じるか」——体験の時系列分析。

この違いを意識するだけで、どちらをいつ使うべきかが明確になる。

ユーザーフローとジャーニーマップの範囲の違いタップして拡大表示


具体例・ケース比較

ケース1:ECサイトの購入体験

観点ユーザーフロージャーニーマップ
範囲カート→配送先入力→支払い→確認→完了認知→検索→比較→購入→配送→使用→口コミ
記述内容各画面の遷移、分岐(ログイン有無など)各フェーズの行動・感情・課題・タッチポイント
発見例「支払い画面で戻るボタンがない」「配送待ちの期間に不安を感じている」
改善策戻るボタンを追加配送通知を強化、追跡機能を改善

ケース2:SaaSの導入体験

観点ユーザーフロージャーニーマップ
範囲サインアップ→初期設定→ダッシュボード認知→評価→契約→導入→運用→更新/解約
記述内容登録フォーム、プラン選択、初期ウィザード導入検討時の不安、成功体験、解約理由
発見例「初期設定の手順が10ステップある」「導入後1週間で価値を感じないと解約する」
改善策初期設定を3ステップに短縮強化、早期に成功体験を提供

ケース3:予約サービス

観点ユーザーフロージャーニーマップ
範囲日時選択→人数選択→確認→予約完了計画→検索→予約→当日→体験後
記述内容カレンダーUI、確認画面の情報予約前の期待、当日の体験、事後の記憶
発見例「空き状況の更新が遅い」「当日のリマインドが欲しい」
改善策リアルタイム在庫表示前日リマインダー、当日の持ち物チェックリスト

なぜ重要なのか

1. 視点が異なる

ユーザーフロージャーニーマップ
「ユーザーは次にどの画面に行くか」「ユーザーはこの時点で何を感じているか」
システムの動作を記述ユーザーの体験を記述
設計者・開発者向けステークホルダー全員向け

フローは「機能」を設計し、ジャーニーは「体験」を設計します。

ユーザーフローとジャーニーマップの視点の違いタップして拡大表示

2. 範囲が異なる

  • ユーザーフロー: アプリ内の「購入ボタンを押す→確認画面→完了画面」
  • ジャーニーマップ: 「商品を知る→比較検討→購入→配送待ち→開封→使用→リピート検討」

フローはプロダクト内に閉じていますが、ジャーニーはプロダクトの外まで広がります。


実務でなぜ区別すべきか

UIXHEROがこの2つを厳密に区別する理由は3つあります。

1. 使うタイミングが異なる

フェーズ使うツール
課題発見・要件定義ジャーニーマップ
UI設計・画面設計ユーザーフロー
開発仕様の共有ユーザーフロー
体験全体の改善検討ジャーニーマップ

ジャーニーマップは「何を作るべきか」を決め、ユーザーフローは「どう作るか」を決めます。

プロジェクトフェーズ別の使い分けタイムラインタップして拡大表示

2. 粒度を間違えると役に立たない

  • フローが粗すぎる: 開発仕様として使えない
  • フローが細かすぎる: 体験全体が見えない
  • ジャーニーが粗すぎる: 具体的な改善点が見えない
  • ジャーニーが細かすぎる: 画面設計になってしまう

適切な粒度で作ることが、両ツールの価値を最大化します。

3. 共有相手が異なる

ツール主な共有相手
ユーザーフローデザイナー、エンジニア
ジャーニーマップ経営層、マーケ、CS、全ステークホルダー

ジャーニーマップは「」として、部門を超えた議論に使えます。


作り方の違い

ユーザーフローの作り方

  1. タスクを定義: 「会員登録を完了する」など
  2. 開始点と終了点を決める: どこから始まり、どこで終わるか
  3. 画面を洗い出す: 必要な画面をリストアップ
  4. 遷移を描く: 矢印で画面間の移動を表現
  5. 分岐を追加: 条件による分岐(ログイン済み/未ログインなど)

ジャーニーマップの作り方

  1. ペルソナを設定: 誰の体験を描くか
  2. フェーズを定義: 認知→検討→購入→使用など
  3. 各フェーズの要素を埋める:
    • 行動(何をしているか)
    • タッチポイント(どこで接触するか)
    • 感情(どう感じているか)
    • 課題(何に困っているか)
  4. 機会を特定: 改善できるポイントを洗い出す

よくある質問 (FAQ)

Q1. 両方作る必要がありますか?

プロジェクトの規模と目的によります

  • 小さな機能改善: ユーザーフローだけで十分
  • 新規サービス設計: ジャーニーマップ→ユーザーフローの順で両方作る
  • 体験全体の見直し: まずジャーニーマップで課題を特定

Q2. ジャーニーマップからユーザーフローは作れますか?

直接は作れませんが、つながります

  1. ジャーニーマップで「このフェーズを改善したい」と特定
  2. そのフェーズに関わる機能を洗い出す
  3. その機能のユーザーフローを設計

ジャーニーマップは「どこを改善するか」、フローは「どう実装するか」を示します。

Q3. ユーザーフローとワイヤーフローの違いは?

ユーザーフローフロー
画面遷移のみを示す画面遷移+各画面のワイヤーフレーム
抽象度が高いより具体的
早い段階で作成ワイヤーフレーム作成後

ワイヤーフローは、ユーザーフローにワイヤーフレームを組み合わせた、より詳細なドキュメントです。


ユーザーフローは「どう動くか」——画面遷移の設計図である。 ジャーニーマップは「どう感じるか」——体験の時系列分析である。

まとめ

  • ユーザーフロー: 画面遷移の設計図(システム視点・プロダクト内)
  • ジャーニーマップ: 体験の時系列分析(ユーザー視点・プロダクト外も含む)
  • 使い分け: ジャーニーで「何を改善するか」を決め、フローで「どう実装するか」を設計する。

「画面の流れ」と「体験の流れ」は違う。両方の視点を持つことで、機能だけでなく体験を設計できる。


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最終更新: 2026年9月3日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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