UIXHERO
#184
UX基礎・原則
#184

ちゅういけいざい

注意経済 (Attention Economy)

別名・表記:Attention Economyアテンション・エコノミー

UIXHERO Definition

「注意」をお金と同じくらい大事な資源とみなす考え方。SNSなどはユーザーの時間を奪い合っている。

概要

ハーバート・サイモン(1971)が「情報の豊かさは注意の貧困を生む」と指摘したことが出発点とされる。その後、メディア研究やデジタル経済の文脈で「注意」を希少資源として捉える概念が発展し、現在の「注意経済」と呼ばれる考え方につながった。

現代のビジネスモデル(特に広告モデル)の多くは、いかにユーザーの可処分時間を自社サービスに費やさせるかという競争の上に成り立っている。

UXでの活用

  • Time Well Spent(有意義な時間): GoogleやAppleのスクリーンタイム機能のように、ユーザーが自分の時間の使い方をコントロールできるよう支援する。
  • 通知の最適化: ユーザーの集中を阻害しないよう、通知の頻度やタイミングを制御する(Do Not Disturbモードなど)。

💡 使いどころ

サービスのKPI(滞在時間やDAU)を設定する時や、ユーザーの時間を尊重する倫理的なデザイン(Humane Tech)を考える時。

⚠️ 注意点・誤用

注意を引くことだけを目的にすると、センセーショナルな釣り見出し(Clickbait)や中毒性のあるデザイン(Dark Patterns)に陥りやすい。長期的な信頼関係の構築には、ユーザーの時間を「奪う」のではなく「価値ある体験に変える」という視点が不可欠。

具体例

  • YouTubeの自動再生機能(視聴時間を伸ばす)
  • 無限スクロール(離脱させない)
  • 通知バッジの赤色(注意を強制的に引く)
出典・参考文献:
  • Simon, H. A. (1971). Designing organizations for an information-rich world. In M. Greenberger (Ed.), Computers, Communications, and the Public Interest (pp. 37–72). Johns Hopkins Press.
  • Davenport, T. H., & Beck, J. C. (2001). The Attention Economy: Understanding the New Currency of Business. Harvard Business School Press.
  • Harris, T. (2016). How Technology Hijacks People’s Minds — from a Magician and Google’s Design Ethicist. Medium.
作成: 2026年2月14日

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