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代替テキスト・ARIA (Alt Text & ARIA)

スクリーンリーダーが「画像」と読み上げるだけのUIは、視覚障害者にとって意味がない。alt属性とARIAで、すべてのユーザーに同等の情報を届ける設計原則。

2026年2月17日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)
代替テキスト・ARIA (Alt Text & ARIA)

スクリーンリーダーが「画像、画像、画像」と読み上げるだけのページ——視覚障害者にとって、そのは情報ゼロと同じです。

よくある失敗パターンは「alt属性を設定しているが、内容が意味をなさない」ことです。alt="image001.jpg"(ファイル名をそのまま)、alt="写真"(何の写真かわからない)、alt="クリックしてください"(ボタンのテキストをaltに書く)——これらはすべて、スクリーンリーダーユーザーに情報を届けられていない失敗例です。

さらに深刻なのは、カスタムUIコンポーネントにARが実装されていないケースです。<div>で作ったボタンはスクリーンリーダーに「ボタン」として認識されません。<div>で作ったタブはタブとして認識されません。視覚的には美しいUIでも、スクリーンリーダーには「意味のないdivの集まり」として読み上げられます。

1. 原則の定義

代替テキスト・ARIA(Alt Text & ARIA)とは、画像・アイコン・カスタムUIコンポーネントなど、視覚的な情報をスクリーンリーダーが正確に読み上げられるよう、alt属性・ARIAロール・ARIAラベルを適切に設定し、すべてのユーザーに同等の情報を届ける原則。

本質は「視覚的な情報を、非視覚的な手段でも伝えること」です。画像・アイコン・グラフ・カスタムUIコンポーネントは、視覚的には意味を持ちますが、スクリーンリーダーには「何か」としか認識されません。alt属性とARIAは、視覚的な情報を「言葉」に変換し、スクリーンリーダーユーザーに同等の体験を届けるための橋渡しです。

2. いつ使うか(適用場面)

特に重要になるケース

  • 情報を伝える画像: 商品画像・グラフ・図解など、内容が重要な画像には、その内容を説明するaltテキストを設定する。「商品の写真」ではなく「赤いスニーカー、サイズ26cm、Nike Air Max 2024」のように具体的に。
  • 装飾的な画像: パターン・区切り線・装飾的なイラストなど、情報を持たない画像にはalt=""(空のalt)を設定し、スクリーンリーダーに読み飛ばさせる。
  • アイコンボタン: テキストのないアイコンボタン(×ボタン・ハンバーガーなど)には、aria-labelでボタンの目的を説明する。aria-label="メニューを閉じる"など。
  • カスタムUIコンポーネント: <div><span>で作ったドロップダウン・タブ・スライダーなどには、rolearia-expandedaria-selectedなどのARIA属性を設定し、スクリーンリーダーに正しい役割と状態を伝える。

トレードオフが起きる場面

  • altテキストの長さ: 詳細すぎるaltテキストは、スクリーンリーダーユーザーにとって冗長になる。「何を伝えるべきか」を考え、簡潔かつ正確に記述する。
  • ARIAの過剰使用: ネイティブHTML要素(<button><input><nav>)はARIAなしでも正しく認識される。ARIAはネイティブHTML要素で対応できない場合にのみ使用する(「ARIAを使わない方が良い場合もある」)。

3. なぜ重要か(設計判断の核)

altテキストとARIAは「アクセシビリティ対応」ではなく、「すべてのユーザーへの情報の平等」だ。

設計判断の基準

  • 「この画像・アイコン・コンポーネントを目で見ずに使うとしたら、何が必要か?」→ その答えがaltテキスト・ARIAラベルに書くべき内容。
  • 「この画像は情報を伝えているか、それとも装飾か?」→ 情報を伝えるなら内容を説明するalt。装飾ならalt=""

優先順位の考え方

  • 1. 情報を伝える画像のaltテキスト(最優先): 商品画像・グラフ・図解など、内容が重要な画像のaltが空または不適切なら、即刻修正する。
  • 2. アイコンボタンのaria-label: テキストのないアイコンボタンは、aria-labelなしではスクリーンリーダーに「ボタン」としか読み上げられない。
  • 3. カスタムコンポーネントのARIAロール: <div>で作ったUIコンポーネントには、適切なroleと状態管理ARIAを設定する。

例外条件

  • 装飾的な画像(背景・区切り線など)はalt=""で読み飛ばさせる。altを省略するとファイル名が読み上げられる場合があるため、必ずalt=""を明示する。

4. 具体の設計ルール(チェックリスト)

最低ライン(Must - これ守らないと危険)

これがないと、スクリーンリーダーユーザーは情報を得られません。

理想ライン(Better - できると強い/プロの品質)

「読み上げられる」を超えて「意味が伝わる」状態です。

5. UI例

同じ「アイコンボタン」でも、ARIAラベルの有無でスクリーンリーダーユーザーの体験は大きく変わります。

改善プロセス

  1. アイコンボタンにaria-labelを追加する: <button>✕</button><button aria-label="ダイアログを閉じる">✕</button>。これだけでスクリーンリーダーがボタンの目的を正確に読み上げるようになる。
  2. 情報を伝える画像のaltを具体的にする: alt="商品画像"alt="赤いスニーカー、Nike Air Max 2024、サイズ26cm"。画像を見ずに内容が理解できる説明を書く。
  3. 装飾的な画像にはalt=""を設定する: 背景・区切り線・装飾的なイラストにはalt=""を明示し、スクリーンリーダーに読み飛ばさせる。

6. 関連リンク

7. まとめ

今日から直せる一手 担当しているサービスの画像にalt属性があるか確認してください。altが省略されている・alt="image.jpg"のようなファイル名になっている場合は、今日中に画像の内容を説明するテキストに修正してください。

チームに共有するなら一言 「altテキストは『SEO対策』ではない。スクリーンリーダーユーザーへの、画像の内容を伝える唯一の手段だ。」

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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