UIXHERO
#393
心理学・認知バイアス
#393

ポステルの法則

ポステルの法則

別名・表記:Postel S Law

UIXHERO Definition

「入力に関しては寛容に、出力に関しては厳格に」。堅牢性原則(Robustness Principle)とも呼ばれ、ユーザーの多様な振る舞いを受け止める設計思想。

概要

インターネットの父の一人、ジョン・ポステルがTCP/IP規格の仕様策定時に提唱した原則。「送信するものに関しては厳密に、受信するものに関しては寛容であれ」。 ソフトウェア設計においては、「システムが出力するデータは規格に厳密に従うべきだが、外部から入力されるデータについては、多少の形式不備があっても柔軟に解釈して受け入れるべき」と解釈される。

本来はネットワークプロトコル設計の原則だが、UX設計では「ユーザーの入力の揺らぎをシステム側で吸収する思想」として応用されている。

UXでの活用

  • 入力フォーマットの自動補正: クレジットカード番号入力で、ユーザーがスペースやハイフンを入れてもエラーにせず、システム側で自動的に除去して受け付ける。
  • 日付入力の柔軟性: 「2023/01/01」「2023-1-1」「2023年1月1日」など、ユーザーがどのような形式で入力しても、システム側で正しい日付データに変換する。
  • レスポンシブ対応: ユーザーがどのようなデバイスサイズ(入力環境)でアクセスしてきても、レイアウトが崩れないように柔軟に対応する(入力=閲覧環境に対する寛容さ)。

💡 使いどころ

入力フォームの設計(電話番号のハイフン有無、全角半角の揺らぎなど)。ユーザーに厳密なフォーマットを強いるのではなく、システム側で柔軟に解釈・補正する。

⚠️ 注意点・誤用

あまりに勝手に補正しすぎると、ユーザーが意図しないデータが登録される恐れがある。重要な変更(通貨単位の変換など)は確認を求める。

具体例

  • 「090-1234-5678」も「09012345678」も受け付ける電話番号欄
  • 検索キーワードのスペルミスを自動修正して検索結果を出す(「もしかして」機能)
出典・参考文献:
  • Postel, J. (1980). User Datagram Protocol. RFC 768. Internet Engineering Task Force.
  • Postel, J. (1981). Transmission Control Protocol. RFC 793. Internet Engineering Task Force.
  • Saltzer, J. H., Reed, D. P., & Clark, D. D. (1984). End-to-end arguments in system design. ACM Transactions on Computer Systems, 2(4), 277–288.
作成: 2026年1月26日
更新: 2026年2月14日

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