この技術でできること
- インタビュー結果が 「使える」もの になる
- ターゲットユーザーを 行動ベース で定義できる
- 「プロ参加者」や 不適切な人 を除外できる
例 : 間違った人にインタビューすれば、どれだけ深掘りしても意味のないインサイトしか得られない
なぜ難しいか
「ユーザーならだれでもいい」と思って集めると、 インタビュー結果が使えない という事態になる。
多くのリクルーティングで起きる問題は、条件があいまい・確認が甘い・代表性がない、の3つ。
設計プロセス
全体フロー
「誰に聞くか決める」→「条件を具体化」→「募集」→「スクリーニング」。行動ベースで定義し、スクリーナーで確認する。
ステップ1: 誰に聞くかを決める
目的 : ターゲットユーザーを「行動」で定義する
やること :
| 軸 | 質問 |
|---|---|
| 行動 | 過去に何をした人か? |
| 状況 | どんな文脈にいる人か? |
| 属性 | 年齢・職業・経験は? |
例(ECアプリ改善) :
- ✅ 過去3ヶ月以内にアプリで購入した人
- ✅ 週1回以上アプリを開く人
- ❌ 「ECアプリに興味がある人」(曖昧)
ポイント :
- 「態度」ではなく「行動」で定義する
- 「使いたいと思う人」ではなく「使った人」
ステップ2: 条件を具体化する
目的 : Yes/Noで判定できるスクリーナーを作る
やること : 募集時に確認する条件を、Yes/No で判定できる形にする。
悪い条件 :
- 「アプリをよく使う人」(「よく」の定義があいまい)
良い条件 :
- 「過去1ヶ月以内に3回以上購入した人」
スクリーナー質問例 :
Q1. 過去3ヶ月以内に〇〇アプリで商品を購入しましたか?
□ はい → 次へ
□ いいえ → 対象外
Q2. 購入頻度はどれくらいですか?
□ 週1回以上 → 対象
□ 月1〜3回 → 対象
□ 3ヶ月に1回以下 → 対象外
Q3. 現在、〇〇業界でお仕事をされていますか?
□ はい → 対象外(業界関係者除外)
□ いいえ → 対象
ステップ3: 募集する
目的 : 複数チャネルで候補者を集める
やること :
| チャネル | 特徴 | コスト |
|---|---|---|
| 既存ユーザーDB | 行動データで絞れる | 低 |
| SNS・コミュニティ | 幅広く集まる | 低〜中 |
| リクルーティング会社 | 条件に合う人を確保 | 高 |
| 社内・知人紹介 | 手軽だがバイアスあり | 低 |
謝礼の目安 :
- 30分〜1時間: 3,000〜5,000円
- 専門職・ハイエンド: 10,000円〜
- 形式: Amazonギフト券、QUOカードが一般的
ステップ4: スクリーニングを実施する
目的 : 「プロ参加者」や不適切な人を除外する
やること : スクリーナーを通過しても、実際に話してみると条件に合わないことがある。
確認すべきこと :
- スクリーナー回答の再確認
- 当日の接続環境(リモートの場合)
- キャンセルポリシーの説明
注意 ** : スクリーナーに嘘をつく「プロ参加者」がいる。謝礼目的で条件を偽る人を除外するため、 ** 同じ質問を言い方を変えて複数回聞く 。
よくある失敗
❌ 「身近な人」で済ませる
同僚・友人・家族にインタビューしてしまう。
なぜ失敗するか :
- プロダクトへの前提知識がある
- 本音を言いにくい(気を遣う)
- 代表性がない
対策 :
- 最低限、「プロダクトに関わっていない人」を選ぶ
- 社内テストとユーザーインタビューは別物として扱う
❌ 条件が広すぎる
「20〜50代の男女」のような広い条件で募集する。
なぜ失敗するか :
- インサイトがバラバラで統合できない
- 「誰にも当てはまるけど誰にも刺さらない」結論になる
対策 :
- セグメントを絞る
- 1つのインタビューシリーズで1セグメント
- 比較したいなら、セグメントごとに分けて実施
❌ 参加者が少なすぎる / 多すぎる
5人未満、または20人以上でインタビューする。
なぜ失敗するか :
- 少なすぎ: パターンが見えない
- 多すぎ: 分析が追いつかない、新しい発見が減る
対策 :
- 5〜8人 が目安(あくまで目安。データの性質で前後する)
- 同じ話が繰り返されるようになったら「飽和」のサイン
- セグメントを混ぜないことが前提(別セグメントなら別シリーズで実施)
実践チェックリスト
最低ライン(Must)
理想ライン(Better)
テンプレート
募集文テンプレート
【〇〇に関するインタビュー調査】
■ 内容
〇〇についてお話を聞かせてください。
■ 対象
・過去3ヶ月以内に〇〇を利用した方
・〇〇の経験がある方
■ 所要時間
約60分(オンライン)
■ 謝礼
Amazonギフト券 5,000円分
■ 実施日
〇月〇日〜〇日のご都合の良い日時
■ お申し込み
下記フォームよりご応募ください。
[フォームURL]
スクリーナーテンプレート
Q1. 過去3ヶ月以内に〇〇を利用しましたか?
□ はい □ いいえ
Q2. 利用頻度を教えてください。
□ 週1回以上 □ 月1〜3回 □ 3ヶ月に1回以下
Q3. 〇〇業界でお仕事をされていますか?
□ はい □ いいえ
Q4. ご連絡先をお知らせください。
メール:
電話番号:
関連技術
前提となる技術
- 調査設計 — リクルーティングの前段階
- リサーチクエスチョン設計 — 誰に聞くかを決める基準
セットで使う技術
次に学ぶ技術
- ラポール形成 — 参加者との信頼関係を築く
まとめ
- この技術の本質 : 「誰でもいい」ではなく、行動ベースで条件を定義しスクリーナーで確認
- できるようになること : インタビュー結果が「使える」ものになる
- 次に学ぶべき技術 : スクリーナー設計(条件設計の詳細)
次に学ぶ技術: スクリーナー設計