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ラポール形成|インタビュー技術

ユーザーとの信頼関係を築き、本音を引き出すための関係構築技法。アイスブレイクから心理的安全性の確保まで。

2026年3月21日
更新: 2026年8月27日
5
by Dengen Yosho(DGYS)

この技術でできること

  • 表面的な回答ではなく本音が引き出せる
  • 短時間で「話しやすい」と感じてもらえる
  • ユーザーの心理的安全性を確保できる

: ラポールがなければ、どれだけ良い質問をしてもユーザーは当たり障りのない回答しかしない


なぜ難しいか

ラポールは「仲良くなること」ではない。短時間で「話しやすい」と感じてもらう技術である。

多くのが陥る失敗は、雑談が長すぎる・事務的すぎる・自分の話をしすぎる、の3つ。


ラポール形成の進め方

全体フロー

「導入」→「アイスブレイク」→「移行」。短時間で安心感を与え、自然に本題へ入る。


ラポール形成の3フェーズ

フェーズ目的所要時間
導入安心感を与える2〜3分
アイスブレイク話しやすい雰囲気を作る3〜5分
移行本題への自然な橋渡し1〜2分

フェーズ1: 導入(安心感を与える)

目的: ユーザーの緊張を解き、「安心して話せる」状態を作る

やること:

  1. 自己紹介(簡潔に)
  2. 目的の説明(何のためのインタビューか)
  3. ルールの共有(録音、所要時間、正解はない)

:

「今日はお時間をいただきありがとうございます。私は〇〇の△△と申します。」

「今日は〇〇についてお話を聞かせていただきたいと思っています。」

「録音させていただきますが、社外には出しません。」

「正解・不正解はありませんので、思ったことをそのまま教えてください。」

ポイント:

  • 録音の許可は必ず最初に取る
  • 「正解はない」と明言することで、防御を下げる

フェーズ2: アイスブレイク(話しやすい雰囲気を作る)

目的: 答えやすい質問で「話す」リズムを作る

やること:

  1. 答えやすい質問から始める
  2. 共感を示すリアクション
  3. 相手のペースに合わせる

良いアイスブレイク質問:

「今日はお仕事帰りですか?」(

「〇〇(地名)からお越しなんですね」(事実確認)

「普段、〇〇はよく使われますか?」(テーマへの軽い導入)

悪いアイスブレイク:

❌ 「趣味は何ですか?」(重い)

❌ 「最近どうですか?」(曖昧)

❌ 「〇〇についてどう思いますか?」(いきなり本題)

ポイント:

  • 答えに困らない質問を選ぶ
  • 3〜5分で切り上げる(長すぎると本題の時間がなくなる)

フェーズ3: 移行(本題への橋渡し)

目的: アイスブレイクから自然に本題へ入る

やること: 自然な流れで本題に入る。

:

「ありがとうございます。では、本題に入らせてください。」

「〇〇のお話が出ましたね。そこをもう少し詳しく聞かせてください。」

ポイント:

  • アイスブレイクの話題から自然につなげると滑らか
  • 「では本題ですが」と明示するのもOK(区切りが明確になる)

ラポールを維持する技術

うなずき・相槌

基本:

  • 「はい」「ええ」「なるほど」を適度に入れる
  • 大げさすぎると不自然

リモートの場合:

  • 画面越しでは反応が伝わりにくい
  • 通常より少し大きめにうなずく
  • ミュートにしない(相槌が聞こえないと不安になる)

オウム返し

ユーザーの言葉をそのまま繰り返すことで、「聞いている」と伝わる。

ユーザー: 「ちょっと面倒だなと思って」

インタビュアー: 「面倒だなと...」

ユーザー: 「はい、毎回入力するのが...」

ポイント:

  • 全部繰り返さない(語尾だけでも効果あり)
  • 質問ではなく、理解を示すために使う

共感の表現

やるべき共感:

  • 「それは大変でしたね」(状況への
  • 「確かに、そう感じますよね」(感情への共感)

やってはいけない共感:

  • ❌ 「私もそうです!」(自分の話にすり替え)
  • ❌ 「わかります、わかります」(軽く聞こえる)

よくある失敗

❌ 事務的すぎる

質問を読み上げるだけで、反応が薄い。

なぜ失敗するか: インタビューを「タスク」として捉えている。

対策:

  • 相手の話に興味を持つ(演技でもいい)
  • 「へぇ」「そうなんですね」を意識的に入れる

❌ 雑談が長すぎる

アイスブレイクで盛り上がり、本題の時間がなくなる。

なぜ失敗するか: 「仲良くなること」がゴールになっている。

対策:

  • アイスブレイクは5分以内と決める
  • タイマーを見えるところに置く

❌ 自分の話をしすぎる

「私も同じ経験があって...」と自分のエピソードを話し始める。

なぜ失敗するか: 共感を示そうとして、主役が入れ替わる。

対策:

  • 自分の話は一言で切る
  • 「私も」と言いそうになったら「〇〇さんは」に変える

実践チェックリスト

最低ライン(Must)

理想ライン(Better)


リモートインタビューでのラポール

対面より難しいが、工夫で補える。

課題対策
反応が伝わりにくいうなずきを大きく、相槌を多めに
目線が合わないカメラを見て話す瞬間を作る
雑音・接続トラブル開始前に接続確認、バックアップ連絡先を共有
画面共有で顔が見えない共有前に「顔が見えなくなりますが、声で反応しますね」と伝える

関連技術

前提となる技術

セットで使う技術

次に学ぶ技術


まとめ

  • この技術の本質: 「仲良くなること」ではなく、短時間で「話しやすい」と感じてもらう技術
  • できるようになること: ユーザーが本音を話してくれる
  • 次に学ぶべき技術: 質問設計(ラポール形成後の質問技術)

次に学ぶ技術: 質問設計

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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