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ジャーニーマップ接続|インタビュー技術

インタビューのインサイトをジャーニーマップに統合し、ユーザー体験の改善ポイントを特定する技法。

2026年3月22日
更新: 2026年8月27日
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by Dengen Yosho(DGYS)

この技術でできること

  • インタビューの体験の時系列に配置できる
  • ユーザーの感情曲線から改善インパクトの大きいポイントを特定できる
  • 「点」のインサイトを「線」のユーザー体験として可視化できる

: 「カート離脱率が高い」は点の情報。ジャーニーマップに統合すると「認知→比較→カート追加→送料確認→離脱→他社比較→戻らない」という線の中で、どこが最大のペインかが見える


なぜ難しいか

ジャーニーマップはユーザーの行動と感情を時系列で並べる必要がある。

インタビューで得られるデータは断片的。ユーザーは自分の体験を時系列で話してくれるとは限らない。散らばったデータを「いつ・何をして・どう感じたか」の流れに再構成するのが、この技術の核心。


接続プロセス

全体フロー

「体験フェーズの定義」→「インサイトの時系列配置」→「感情曲線の作成」→「改善ポイントの特定」。インサイトを体験の流れに乗せて、全体像を可視化する。


ステップ1: 体験フェーズを定義する

目的: を時系列のフェーズに分ける

やること:

  • 対象サービスの利用フローを洗い出す
  • 5〜7フェーズに分ける
  • フェーズ名はユーザーの言葉で書く

例(ECアプリ):

認知 → 検索 → 比較 → カート → 購入 → 受取 → リピート

フェーズ定義のコツ:

  • 細かすぎると情報が散る(10以上は多い)
  • 大きすぎると粒度が粗い(3以下は少ない)
  • ユーザーの「判断ポイント」でフェーズを区切る

ステップ2: インサイトを時系列に配置する

目的: やインサイト抽出の結果を、フェーズに配置する

やること:

フェーズインサイト代表発話
認知SNS広告で知るが、ブランドに信頼がない「インスタで見たけど、聞いたことない」
検索キーワード検索ではなく、カテゴリから探す「検索って使わない。見て回るタイプ」
比較送料込みの総額で比較する「結局いくらかが大事」
カート送料がわからず離脱「カートに入れて初めて送料がわかる」
購入安心感が決め手「レビューが多いほうで買う」
受取配送が見えないと不安「いつ届くかわからないのが嫌」

ステップ3: 感情曲線を作成する

目的: 各フェーズでのユーザーの感情の高低を可視化する

やること:

  • 各フェーズでの感情を+/−で評価
  • インタビューの発話トーン・表情・言葉遣いから判断
  • 感情が最も低い点 = 最大の

出力例:

感情曲線

 😊 +++  ─  認知(興味)
 😐  +   ─  検索(まあまあ)
 😐  +   ─  比較(普通)
 😡 ---  ─  カート(送料ショック) ← 最大のペイン
 😊 ++   ─  購入(安心)
 😐  -   ─  受取(不安)

感情の根拠を必ず添える:

  • 感情曲線は主観が入りやすい
  • 各ポイントに「発話」か「行動」の根拠をつける
  • 根拠のないポイントは「仮説」と明示する

ステップ4: 改善ポイントを特定する

目的: ジャーニーマップから施策の優先順位を決める

改善ポイントの見つけ方:

パターン説明
最大ペイン感情が最も低い点カートでの送料ショック
離脱ポイントユーザーが離れる瞬間比較→他社へ
ギャップ期待と実態のずれ「安いと思ったのに送料で高くなった」
機会感情を上げられるポイント受取時のサプライズ

施策への接続:

改善ポイント: カートでの送料ショック
インサイト: 総額の可視性が購入判断に必要
施策案:
1. 商品ページに送料を表示
2. カート画面で総額を即時計算
3. 送料無料ラインの明示
優先度: 高(5/5人が言及、離脱ログとも一致)

よくある失敗

❌ 想像でジャーニーマップを作る

インタビューをせずに「たぶんこうだろう」でマップを作る。

なぜ失敗するか: 担当者の想像は、実際のユーザー体験と大きくずれることが多い。データのない改善は的外れになる。

対策:

  • ジャーニーマップは必ずインタビューデータで裏付ける
  • 最低3人分のデータがあるフェーズだけ記載する
  • データがない部分は空白にして「要調査」と書く

❌ 全フェーズを均等に扱う

全フェーズに同じ量のインサイトを配置しようとする。

なぜ失敗するか: インタビューでは特定フェーズに発話が集中することが多い。均等に埋めようとするとデータのない部分を想像で埋めてしまう。

対策:

  • 発話が集中するフェーズこそユーザーにとって重要
  • データが薄いフェーズは「次の調査で深掘り」とする
  • 密度の偏りもインサイトの一つ

実践チェックリスト

最低ライン(Must)

理想ライン(Better)


関連技術

前提となる技術

セットで使う技術

  • 親和図法 — フェーズごとのインサイト整理

まとめ

  • この技術の本質: 「点」のインサイトを「線」のユーザー体験に変換し、改善インパクトの大きいポイントを見つける
  • できるようになること: データ駆動のジャーニーマップで、チーム全員が同じ体験改善に向かえる
  • このセクションの到達点: ここまで来れば、設計→実施→分析→施策のサイクルが一通り回せる

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最終更新: 2026年8月27日

この記事を書いた人

Dengen Yosho(DGYS)

Dengen Yosho(DGYS)

UI/UXデザイナー兼デザインエンジニア デザイン歴25年以上 情報設計〜UIデザイン〜React/TypeScriptによる実装までを一気通貫で担当 大手企業のDXプロジェクトや決済アプリ領域で、デザインリードとして改善と構築を経験 現在はフリーランスとして、プロダクトのUI/UX改善とデザインシステム構築を支援 長年の実務の中で感じてきたのは、 「良いUI」はセンスではなく、再現可能な判断の積み重ねであるということ UIXHEROは、 心理学や行動科学の知見を、現場で使える設計言語に翻訳するための場所 関心領域は「ユーザーの行動が変わるUI」 人の認知・注意・意思決定の構造を理解し、 “なぜそのUIが機能するのか”を言語化することを目指している

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