この棚でできること
- デザイナーがエンジニアと 「共通言語」で会話 できるようになる
- デザインの背景にある 「実装の難易度」「パフォーマンスリスク」を予測 できる
- 技術的制約を「妥協」ではなく、 「より良いUXの探求」のアプローチ として活用できる
UIXHEROのエンジニアリング棚の目的 : この棚は「プログラミングを学ぶ場所」ではなく、デザイナーがエンジニアの判断を理解するための場所です。純粋なコードの書き方ではなく、 技術的判断がUXにどう影響するか (UI/UX × Engineering)に特化しています。
なぜ難しいか
デザインとエンジニアリングは、しばしば 「品質の定義」がズレる からです。
デザイナーが「美しくて体験の良いUI」を完成させても、エンジニアが「その通りに実装するとパフォーマンスが落ちる、バグが増える」と判断すれば、プロダクトとしての品質は下がります。両者が歩み寄るためには、抽象的な「体験」と具体的な「構造」を翻訳する共通言語が必要です。
エンジニアリング棚の全体構造
UIXHEROのエンジニアリング棚は、システムを構築する深度に合わせて 「基礎」「設計」「実装」 の3つのレイヤー(全15本)で構成されています。
🧠 1. 基礎(原則を知る)
コードを書く以前の、「システムの複雑さをいかに抑えるか」という普遍的な思考法です。UI設計にも直接役立ちます。
🛠 2. 設計(構造を知る)
コンポーネントやデータのやり取りを、どのように組み立てるかのパターンです。
- SOLID原則 — 変更に強い設計の5大原則
- アーキテクチャパターン — システム全体の「間取り」
- コンポーネント設計 — パーツの責務と合成可能性
- 状態管理 — データを持たせる場所の設計
- API設計 — フロントエンドとバックエンドの境界線
⚡ 3. 実装(見えない品質を上げる)
パフォーマンスや安全性など、UIの裏側でUXを支える技術領域です。
- パフォーマンス最適化 — 速さは最高の機能
- セキュリティと認証 — ユーザーを守る仕組み
- テスト戦略 — 品質を人ではなく仕組みで担保する
- アクセシビリティ実装 — すべてのユーザーに届ける実装
- CI/CDとデプロイ — 変更を速く安全に届ける
デザイナーの読み方(適用パターン)
パターン1: 企画・UI設計の初期段階
どこを読むべきか : 🧠 基礎(KISS, YAGNI)と 🛠 設計(コンポーネント設計) なぜか : 最初に「これは複雑すぎるかも」「ここはどうデータの裏付けを取るか」を予測できれば、後戻りの手戻りを防げます。
パターン2: 実装時のバグ・表示遅延に対処する時
どこを読むべきか : ⚡ 実装(パフォーマンス最適化, 状態管理) なぜか : 「なぜカクつくのか」「なぜエラーになるのか」の原理がわかれば、デザインを変更して回避する提案ができます。
別の棚とのアクセス
デザイナー × エンジニアの衝突パターン
❌ 「とりあえず全部モックアップ通りに作ってください」
デザイナーの視点 : 最もユーザー体験が良くなるように細部まで作り込んだ。このまま動くのが理想。(品質=体験の最大化) エンジニアの視点 : 例外処理やエッジケースを含めると、デザインデータにはない状態が大量に必要になる。全て完璧にやると工数が爆発する。(品質=安定稼働と実現可能性)
なぜ衝突するか(品質の定義差) : デザイナーは「理想のパス(ハッピーパス)」の体験を描く傾向があり、エンジニアは「異常系のパス(エラーや遅延)」の網羅性を重んじる傾向があるため。
どう合意するか : 最初から完璧なモノリス(一枚岩)を作ろうとせず、「絶対に動かなければならない最小限(MVP)」と「妥協できる点」をすり合わせる共通言語(KISS, YAGNI等)を持ちます。
実践チェックリスト
最低ライン(Must)
[ ] デザインと実装の間に「品質の定義差」があることを認識している [ ] 自身のデザインが、実装を極端に難しくしていないか問いの観点を持っている
理想ライン(Better)
[ ] デザインレビューでエンジニアリングの原則(KISS, DRYなど)を引用して会話できる [ ] 要件定義の段階で、エンジニアと一緒にコンポーネントの分割やデータフローを設計できる
まとめ
- この棚の本質 : 純粋な技術論ではなく、デザインとエンジニアリングを繋ぐ「共通言語」の体系
- UXへの影響 : 開発のスムーズさとシステムの安定性が、最終的な「触り心地の良さ」と「体験の質」を担保する
- 実務での判断軸 : 「このデザインの裏側にある実装コストやリスクを、エンジニアと言語化できているか?」
- 次に学ぶべき技術 : KISS原則(すべては「シンプルに保つ」ことから始まる)
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